滋賀県大津市の中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺したとされる問題で、タレントのデヴィ夫人(72)がブログでこの問題について触れた際、無関係の女性(50)の写真を掲載し、その女性が「名誉を傷つけられた」としてデヴィ夫人を訴えることが1日分かった。女性は、ブログに顔写真をさらされたことで、仕事にも支障が出ているという。女性の代理人弁護士は夕刊フジの取材に対し「来週中にも訴訟準備を済ませる」と話している。
訴えを起こすのは、兵庫県在住のスタイリストの女性。
女性の弁護士によると、デヴィ夫人は自身のブログ『デヴィの独り言 独断と偏見』で、<大津いじめ自殺事件>と題し、7月10日、<とんでもないのが母親の×××(原文では個人名)><自分の息子を人権侵害もはなはだしいリンチ同様な事を平気でする人間に育て上げるとは!>などと、いじめの加害者とされる生徒の母親を批判した。その上で、少年の親族とされる男性とともに女性が写った写真をアップした。
だが、写真の女性は、デヴィ夫人が名指しした生徒の母親とは別人で、スタイリストの女性だった。
無関係の自分の顔写真が載るブログに驚いたこの女性は弁護士に相談。7月下旬、「記事の内容と写真を見ると、女性と生徒の母親が同一人物であるかのように読み取れる。著しい精神的な苦痛を受けただけでなく、スタイリストとしての営業活動も困難を強いられている」(弁護士)として、デヴィ夫人に対し、ブログに謝罪文の掲載のほか「相当の金銭賠償」などを求める通知書を送付した。
抗議を受けたデヴィ夫人は、ブログ内容の一部を訂正したものの、「損害賠償を請求するのは筋違い」「言い掛かりで金銭を取ろうとする行為であると感じられます」などと文書で拒否。女性側は「回答は自身の掲載責任を転嫁するような内容。まったく誠意が感じられない」(弁護士)とし、損害賠償を求める民事訴訟を起こすことを決めたという。
今回の件に関して、デヴィ夫人の個人事務所「オフィス デヴィ スカルノ」は夕刊フジの取材に対し、「詳細が分からないため、コメントできない」としている。
デヴィ夫人のブログをめぐっては、加害者とされる別の男子生徒の親族として名指しされた男性も、無関係の別人だったことが判明し、夫人がブログのなかで謝罪している。