いじめにあって自殺したとされる大津市の中2男子(13)の父親に、大津市の越直美市長がきのう25日(2012年7月)に直接謝罪した。市は独自の調査を進める意向だが、この問題をきっかけに全国各地でいじめの事例が次々と明るみに出ているだけに、市の責任があらためて問われそうだ。
大津市立皇子山中学校の生徒が自殺したのが昨年(2011年)10月で、越の市長就任は今年1月だが、2月に父親が市と加害者へ損害賠償の請求を申し立てた。この問題がにわかに注目を集めたのは、6月に新聞に「自殺の練習」が報じられてからだ。警察が捜査に入り、父親は加害者を刑事告訴した。
この日、市長と市の担当者はまず父親の代理人の弁護士と対面し、これに文部科学省の担当者と最後に父親が加わった。やり取りには報道も立ち会ったが、父親は名前も顔も出さず持参した息子の写真も出さなかった。
市長は「訴訟の段階で調査をしなかった」ことを謝罪し、「これまでの(学校の)調査は 不十分でずさんだった。私たちに何ができるか考えていきたい」と述べた。父親は市の取り組みの姿勢を評価し、「1日も早く真相を解明してほしい」と要望した。
父親は学校のいじめに関する管理体制がないことをあげ、「親が子どもを安心して預ける には不適格」と述べた。市長は「おっしゃる通り」と不備を認め、「安心して預けられる場所にするには、真相の解明が必要だ」と応じた。市長は早くから第三者委員会の設置を表明しているが、父親はこれに「内容を公開にすべきだ」とし委員の人選にも注文をつけた。さらに、「報道を見ていて、息子は学校に殺されたのと違うかなと思う。いじめの調査はもちろん、これらの調査もしてほしい」とも言う。
市長はおおむね応じたが、いじめと自殺の因果関係については「第三者委の対象とは考えていない。裁判所が判断することと重なる。何があったかを調べれば見えてくるだろう」としている。会談は30分の予定が1時間半になったが、終わって父親は「教育改革にまで踏み込もうとする市長を信頼している」とのコメントを出した。
(続く)
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