小沢支持者の有名なブログでも、以前から橋下氏を記者クラブメディアが小沢さんを叩くようにコケ落としていたが、先日の小沢さんの記者会見をどう評価しているのかと覗いてみると、ますます酷くなっていたのには驚いた、というか呆れた。
「自分は記者会見を見てない」と前置きしつつ、全文が掲載されている記事を用いて、わけのわからないハチャメチャな論理展開をされておられる。このブログは多くの小沢支持者が覗いているだろうから、違和感を覚える方も多いのではないかとも思うのだが・・・。
また、ツイッターにも嘆き悲しんでいるのか、開き直って小沢から離れると言ってみたり、小泉を支持するのかとわけのわからんことをつぶやいておられる。
marchenkoff 西風
小沢一郎支持派でありながらも橋下徹をリスペクトしている人は、同時に小泉・竹中の従米ネオリベ路線を支持することにもなり、サプライサイド経済、トリクルダウン、市場原理主義、ポピュリズム等を全面肯定することにもなるが、小沢一郎氏の政策・理念ではなく違う何かを支持していると言うことか?
sea_of_memory Mnemosyne
小沢一郎の政治理念に賛同し発言から垣間見える誠実さ・優しさに共感し応援してきた。来週小沢氏は橋下氏と面談するそうだが、もし小沢氏がポピュリスト橋下に迎合するようなら今後小沢氏や彼が推挙してきた議員を支持することができなくなる。どうか小沢氏が冷徹に橋下の本質を見極めてくれますように
まだ、こんなことをツイートしている小沢支持者も多いのが嘆かわしい。
こういうのを見ると、以前にも書いたが、12年前の自由党と自民党との連立を思い出す。
党内でも支持者の間でも、敵対する自民党と組むことに対しては反対する意見が圧倒的に多かった。
小沢さんは「自分たちの政策が実現できるならば、どんな党とも組む」というようなことを言い、反対を押し切って連立を組み、結局、「政府委員の廃止」、「党首討論の実現」、「副大臣制度の導入」、「衆議院議員定数削減」などの政策を推し進めて実現させた。
議員定数は当初50だったが、後に連立に加わった公明党の大反対で20に減らされたが、国会議員自らが議員定数を削減したのは、後にも先にも小沢さんだけである。
小沢さんにとっては、仲間を大事にするとか仲間の意見を大事にする、という以上に、「いかに政策を実現させるか」が最重要課題であり、その実現のためには手段は選ばないという側面が強い。情に絆され易いから、自制している分、より冷酷に見える部分があり、その辺が大きく賛否が別れるところでもあり、それを意図的にうまく使っているのが記者クラブメディアであり、反小沢人間たちだ。
アゴラの≪「改革の旗手」に自らを重ねる「豪腕政治家」≫というタイトルの記事で石田雅彦氏が本ブログを取り上げてくれていて、内容は全く共感できるものである。
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また、中國新聞の論説など、時々いい記事があり、よくチェックしているが、他の記事と合わせてスクラップしておく。
参照:(資料ブログ)
■増税阻止へ「数」誇示 小沢氏、署名集めで首相に圧力
(中國新聞2011/12/14)
民主党の小沢一郎元代表が、消費税増税を掲げる野田佳彦首相への圧力を強め始めた。支持グループ議員は増税反対の署名集めを本格化。小沢氏自身も配下の議員と連日のように会合を開く。党内最大勢力を擁する「数の力」を誇示し、首相に方針転換を迫る戦略だ。
「署名集めはどんな状況だ? 官邸にしっかり伝えてくれ」。12日夜、都内の中華料理店。小沢氏は、党執行部の一員でありながら署名集めを主導する側近の鈴木克昌筆頭副幹事長に対し、同調者の広がりを首相サイドに伝達するよう指示した。
小沢氏は11月末からは系列議員のパーティーへ頻繁に出席。グループ議員との夜の会合も続けており、決まって「いま消費税率を上げるのはまずい」と増税反対論を展開している。
反対勢力をじわじわと拡大し包囲網を築くのは、小沢氏の常とう手段だ。6月の内閣不信任決議案採決に備えて署名集めに取り組んだほか、8月末の党代表選前にはグループ会合を重ねた。今回も衆参合わせて100人を超える勢力を見せつけ、首相に翻意を促す。
若手議員は「署名は既に100人超。これを無視すれば法案は通らない」と、増税関連法案採決での造反も辞さない構え。小沢氏は13日の政治資金パーティーで「野田政権を最後まで支えたい」と強調する一方、「大阪維新の会」の橋下徹代表と連携する可能性に言及し、首相をけん制した。
小沢氏は、民主党が増税を掲げて衆院選に臨めば大敗すると懸念。増税関連法案の成立と引き換えにした野党との「話し合い解散」など、早期の衆院選回避を最優先する。
グループ内には「首相が増税の旗を降ろさないなら離党しかない」とはやる若手もいるが、小沢氏は自重を要求。しかし11日には「(反対意見が)聞き届けられない場合には、どうしたらいいか考えなくてはいけない」と「野田降ろし」や離党に含みを持たせ、首相の対応を見極めて「次の一手」を探る方針だ。
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関連記事:
■小沢元代表「原点忘れるな」
(時事通信2011/12/13-22:05)
■小沢元代表:消費増税で野田首相をけん制 パーティーで
(毎日新聞 2011年12月13日20時54分)
橋下次期大阪市長は、「大阪都構想ができれば、次に同じような手法で国全体の統治機構を変えていく。明治維新以来、国の形は変化がなかったので、ここで新しい国づくりをやらないといけないと、国民のみなさんが徐々に感じてくださっているのだと思います」と語っている。(J-cast)
まさに、小沢さんと方向性は同じである。
日刊ゲンダイも記者クラブメディアと一緒に、当初から橋下徹氏には懐疑的で批判を展開していたが、少し軌道修正してきている。
参照記事
■小沢元代表と橋下新市長 本当の関係 月末に会談狙いと思惑
(日刊ゲンダイ2011年12月12日)
剛腕、独裁者、嫌われ者…と驚くほどの共通項
小沢一郎・民主党元代表と橋下徹・大阪新市長が今月20日、会談することになり、さまざまな臆測を呼んでいる。先のダブル選で圧倒的な強さを見せた橋下。野田・民主党政権に距離を置き始め、新党結成か、とみられる小沢。どうしても政界再編がチラつくからだ。本当のところ、両者の関係はどうなのか。このタイミングで会う狙いと思惑――。
今度の会談を持ちかけたのは橋下だ。小沢が受けたことで「非常にありがたい」と語っていた。橋下の市長就任は19日だから、翌日上京、小沢に会うことになる。エラソーな橋下が、小沢にはやけに低姿勢なのである。
「周辺にも『小沢さんは好きだ』『凄い』と語っています。剛腕を評価しているのは間違いない」(大阪維新の会府議)
一方、小沢も橋下のことを「大したもんだ」と語っていて、両者はウマが合うのである。この辺の事情は政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が詳しい。
「両者に共通しているのは、国の形を変えようとしていること。そのために小沢氏は政界再編を仕掛けてきたし、橋下氏は知事と市長の両方を握り、民意を盾に市議会だけでなく、国政まで動かそうとしている。その先に見据えているのは、大阪から国を変えるという野望です。ふつう、自治体の首長が何かをやろうとする場合、与党に陳情する形を取る。ところが、それでは国のシステムは変わらない。陳情は橋下氏が最も嫌う方法です。システムを壊すのだから、反権力側と組んでひっくり返す。それが橋下氏のやり方です。そこが小沢氏と似ているし、今、小沢氏の立場は与党内野党。橋下氏にしてみれば、最も会いたい相手になるのでしょう」
表面だけ見れば、両者の思想信条には違いが目立つ。例えば、小沢は国民生活第一=反小泉路線だが、橋下は小泉流の競争社会の導入を目指す。小沢は橋下がいれ込む君が代斉唱義務付けや教育改革については多くを語ろうとしない。とはいえ、それらを横に置くと、共通項の多さに驚く。地方の自立、公務員改革の必要性では完全一致しているし、大胆な政治手法、人には媚びず、時に独裁者呼ばわりされる剛腕、メディアに嫌われているところまでソックリだ。
「しかも、両者は政治的打算でも利害が一致するのです。橋下氏は大阪都構想実現のために国会で地方自治法を改正してもらう必要がある。小沢氏と会うことで、既成政党を牽制できるし、一方、小沢氏は橋下氏から頭を下げてきたことで、大いに政治力を誇示できる。いま、橋下氏に自分の方から近づいている政治家はみんな、橋下人気目当てで擦り寄っている。対等に渡り合える政治家は小沢さんぐらいかもしれません」(小沢氏の周辺議員)
そこが今後、面白いのだ。来年は両者の関係が政治の軸になるかもしれない。
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橋下氏が何をしたいのかがよくわかる記事
■「大阪都」に続き「中京都」「新潟州」。橋下市長が描く日本改革のシナリオ“道州制”
(週プレNEWS 2011年12月13日)
■「次期衆院選は道州制選挙」 橋下氏、既成政党揺さぶり
(産経新聞2011.12.13)
■橋下氏、次期衆院選は「地方自治が重要な争点」
(読売新聞2011年12月13日11時03分)
今後、橋下氏に続く地方からの改革の風が巻き起こる可能性が十分ある。
そして、その風が、小沢さんと連動すれば、既得権益で凝り固まった中央集権、官僚機構を破壊し得る大きな嵐となって突き崩せることができると思う。
目先の枝葉末節で瑣末なことに囚われず、木だけを見るのではなく森を俯瞰して見て、大局的な見地から見ることが、特に小沢支持者には求められているのではないだろうか。
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