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対談:比嘉照夫氏×中西研二 ワンネスの世界実現には、まず、EM技術で生きる環境の整備を…

「農業は国の基。この世でいちばん尊い仕事」として、ひたすら安全で安心な農業を目指し研究してきた比嘉先生。「人間の考えることはすべて自然の中にある。そこに発想が向けば必要なものが形として現れる」という理念で出会ったのが光合成細菌(EM)。2000種類の細菌類と格闘のすえ現在のEM技術が生まれた様子を楽しそうに話してくださった。現在約1,000団体のボランティアが活動、海外にも広く普及されています。あらゆる分野での理想的な社会構想は聴いているだけでワクワクしてきました。

ワンネスの世界実現には、まず、EM技術で生きる環境の整備を…

比嘉照夫氏×中西研二

比嘉照夫(ひが・てるお)●名桜大学教授、琉球大学農学部名誉教授、国際EM技術研究所所長。1977年、微生物の農業利用について研究に着手し、安全性と現場再現性を徹底して追求した結果、1982年、画期的な微生物複合培養技術の基礎が確立された。以後、EM技術は、化学薬品に頼らない農業を目指す個人や団体から徐々に注目されるようになり、今では国内2社 (株式会社EM研究所/ 有限会社サン興産業)、海外55カ国で製造されるようになる。

中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。ヒーラー。ワンネスディクシャインストラクター。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来15年間で18万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』『あなたはわたし わたしはあなた』(共にVOICE刊)がある。

「農は国の基なるぞ」の教育が研究のベースに…

中西 日本よりもむしろ海外での普及がめざましいようですが、先生がEM菌に取り組まれたきっかけはなんだったのでしょうか?

比嘉 子どものころから「農業はこの世でいちばん尊い仕事」と考えていましたから、迷わず農業に進んだのです。また、農業高校時代に「農は国の基なるぞ」という教育を受け、自分でもその通りと思っていましたから大学にも進んで、それで沖縄に戻ってみかんの産業化の研究に取り組んだのです。沖縄は亜熱帯地域ですから害虫が多くて、当時使われ始めた化学肥料・農薬を大量に使わなければならない。それで私自身が農薬中毒症になり、「このままでは50歳まで生きられない」という警告を受けたのです。それで化学薬品を使わないでいい方法を考えなければならなかったのです。

 

EM菌ついに発見

地球を救う大変革 3

『地球を救う大変革 3』
比嘉 照夫著/サンマーク出版
環境・農業・畜産・医療…さまざまなジャンルで生活に革命をもたらすEM(有用微生物群)技術の活用について紹介する。

比嘉 研究していくうちに、土地が荒れたり、病害虫が発生するとろには必ず有害な微生物がいる確率が高いということが分かったのです。それなら人間の体に良い微生物を増やして悪い微生物よりも強くしてしまえばいいのではないかと考えたのです。それで微生物を2000種類ぐらい集め、微生物が有効に働くかどうかの実験を続けたのです。ところが扱いが悪かったのか、自分がアレルギーになったり下痢をしたりして、農薬中毒の比ではない恐ろしさを体験しました。

相手は目に見えない微生物ですから、もし事故が起きたら学者生命は終わりです。そこでまず、安全性のチェックに入り、その過程で力を発揮したものがパイウォーターだったんです。

中西 あの山下昭治農学博士(当時名古屋大学)が開発された水質活性装置の水ですね?

比嘉 そうです。パイウォーターで生きられる微生物はいい微生物だということが分かり、それで安全性が絞られてきて、最終的には80種類を残しました。現実の問題として、化学薬品を使わない農業を加速しなければなりませんから、理論は無視して、私の感知したとおりのことをやろうとこの方法に決めたのです。

私は微生物のような命あるものが増えてその機能を発揮したらいい結果が出ると確信していましたから、繰り返し使っているうちにその効果が分かってきたのです。その一つが抗酸化作用があるということ。二つ目がどんな微生物とでも共存できるということ。そして、三つ目は強い酸性条件、アルカリ条件であっても、またカラカラに乾燥させても、抗酸化でバリアをつくって我が身を守るということです。

中西 それでも微生物が生きているのですか?

比嘉 ええ。それから元に戻すと、また元気になる。凍らせてもクタクタ煮ても、時間の置き方なんですが、2週間ぐらいで元に戻る。そこで、どこまでやったら死ぬかという実験をしたのです。結局、加熱で1200度以上あげても死なない。

その実験の過程で分かったことは、そういう微生物は紫外線や放射線、直射光線のような強いエネルギーが好きなんですね。はじめは殺そうと思って紫外線を当てる実験をしたのです。そしたら乳酸菌や酵母は3〜6分ぐらいでほとんど死んでしまうのですが、このEMの中心核を形成している光合成細菌はちょっと減るように見えるのですが10分たっても減らない。それなら死ぬまでやってみようと紫外線をさらに当てると、驚くことにどんどん増えだしたのです。現在、この光合成細菌と乳酸菌、酵母を主体としたものをEM(有用微生物群)と言っています。これが後にベラルーシの放射線汚染地域の浄化対策に使われるようになったし、世界の多くの被爆体験者がEMやEM‐Xゴールドを使うようになって清々しい状態、つまり被爆状態から解放されるというところまで発展していったのです。

 

「空気や水のごとくEM菌を使って!」

比嘉 この光合成細菌の不思議なところは、時間がたつと一緒に入れていた微生物も復活してくるんですよ。その様子がどうもあの世とこの世のメカニズムのようで…(笑)。ちょっと分からなくなってきちゃって…(笑)。そうした微生物を植物に蒔いたり土に蒔まいたりしていくと、その周辺のエネルギーを取り込みながら土を改良し、植物の成長を促進し、害虫がいなくなる。人間の想念も同じですね。「よく育てよ」と念じると本当にそうなるんですが、結局、微生物が出す特異な生命波動のようなものがあって、これらが連動していろいろなことが起こっているのではないかと。

こういう現象を見せられると、地球上の生命は、地球で生まれたわけではなく、宇宙のどこにでもいるものだと思わないと説明がつかない。というのは、この光合成細菌は、アンモニア大好き、硫化水素も大好き、放射能も大好き。そして酸素が嫌いなんです。だから太古の地球の酸素のなかった時代に地球にいて、地球を進化させ、蘇生化させていった元のグループだろうと。それならEM菌を増やして、汚染された環境に出していけば、微生物はそれを餌にして浄化してくれる。環境がきれいになれば生産力も上がり、そこに住む人も免疫力が上がり健康になる、という形が出来上がってくるんです。だから「空気や水のごとくEM菌をつかってくれ!」と声を大にして言っているんですが…(笑)。

中西 微生物は空間に充満しているんでしょうからね。

比嘉 われわれの体は60兆の細胞でできているといいますが、体内の微生物は100兆以上いるんですよ。だから人間は微生物の塊と言ってもいいようなものです(笑)。体内の微生物が、喜んで生き生きと蘇生的な微生物であれば健康的になるでしょうし、そうでなければ、酸化を促進し最後は腐って錆びてなくなっていく。しかし、人間は本来、飢えない、病気にならない。病気になってもすぐに治してもらう。望ましい環境に住み、納得する人生を送れる教育を受けられる。こういう社会システムにならないとお金が絶対の社会になり、オレオレ詐欺、保険金殺人といった話になってしまうのです。今生きているうちにみんながハッピーであることがいちばん大事なことですから、そのことをもっと広げていかないといけない。そうなるとそれを支える技術が必要です。EMの場合は、食料の問題から環境、健康の問題など基本的なところはカバーできますから、いろいろな形でわれわれの未来像が描けるんではないでしょうか。昔だったら「理想的」ということが、EMで当然のように実現できると思っています。

 

海外でのEM普及

中西 EM菌は海外での普及がめざましいのでしょう?

比嘉 エクアドルの国境に近いペルーの高地に原住民が多い貧困の農村地帯があるのですが、そこでトイレの水から廃棄物まですべてEMで処理してジャガイモを作りはじめたのです。すると今まで見たこともないようなすごいジャガイモができて、都市部に行った人たちも農業で食べられるといって戻ってきた。ペルー政府の貧困農家自立支援事業団の仕事として現在40万世帯がEMを使って農業し、爆発的に広がっています。これにより貧困の問題、環境の問題、健康の問題が同時に解決できると、ペルー政府は自信を持って言ってました。同時にアフリカ、アジアなどの貧困対策にもなる。カンボジアも環境大臣が中心になってプロジェクトチームを作っていますし、現在世界では150カ国ぐらい入っていて、50カ国ぐらいに工場がありますから、そういう意味では当初の目標をほぼ達成できたと言えます。

中西 なぜ海外では広がって日本では広がらないんですか?

比嘉 日本は困っていないんです。従来の技術がありますから。あえてこれをやると自滅行為になりますから。でも、これから北海道三笠市と協力してモデルケースを作る準備をしてますけれど。

 

広い分野で成果を上げているEM技術

ホテルコスタビスタ沖縄

EM研究所が経営する「ホテルコスタビスタ沖縄」随所にEMの気配りがなされており、絶好のイヤシロチになっている。ギャルツアーでお客さま好感度No1とか。

 

岩盤浴

岩盤浴は厳選された6種類の鉱石にEM-Xセラミックスを10%混ぜ、EM-Xセラミックスを練りこむ際に、EM-Xを100%使用。EMを使用することにより一般的な岩盤浴よりも免疫力、自然治癒力を高める効果やデトックスが期待できます。

 

ミストサウナ

ホテル内のスパには難病治療に対応したクリニックが設けられ、「かなりのレベルで成果を上げている」と比嘉先生。

比嘉 沖縄のホテルコスタビスタの中にあるスパでも難病対策にあたっているんですよ。ベーチェット病なども初期のものならば治せますし、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病などかなりのレベルで効果を上げています。

中西 えっ! あのスパで?

比嘉 あそこにクリニックがあるんです。お医者さんの常駐は1人、交代4人があたっています。ガンの専門医、脳神経外科、眼科、内科、あと心療内科…。

中西 心療内科もEMで治療するんですか?

比嘉 ええ。慢性疲労症候群のようなものは、ウイルスを疑いチェックすると、やはり反応が出るんです。光合成細菌はウイルスの抑制効果が非常に高いのです。例えば、網膜色素変性症。これは世界で治ったという事例は一例もないのですが、徳州会病院の最高顧問をしておられる先生がこの病気で、EMを使ってやってみたら改善されてきた。データもちゃんとあります。

中西 EMを飲み続けたのですか?

比嘉 はい。EMを飲み始めて2週間ぐらいで効果が出てきましたよ。筋萎縮性側索硬化症(ALS)。この病気も初期にEMを飲んだ人はほとんどよくなっています。小学3年生ぐらいで発症するとだいたい15〜16歳で亡くなるのですが、ある子どもさんは16歳のときは野球の選手をしていましたよ。従来の医学で決めている範囲で考えようとすると進めない。命というものはそういうものではないですからね。だからわれわれもこれを薬にしようとか、商売にしようという考えではなくて、医学界を降参させるような実績を作ろうと…(笑)。

中西 もう降参していますよ(笑)。

比嘉 農業問題も環境問題もEMでなくてもできるという逃げ道があります。でも、ALSや認知症のような病気は進行を止められない。逃げ道がないんですね。

中西 EMで環境を浄化するには、スプレー方式で蒔くのですか?

比嘉 世界を飛び交う飛行機から蒔けばいいのですよ。方法論はいろいろあります。例えば自動車を走らせて健康にいい排気ガスを出すということは、EMの技術では可能なのです。これを動物実験でやったことがあります。普通の排気ガスでは、ネズミは10分ぐらいで死ぬんですが、EM処理をした排気ガスでは逆に元気になる。

中西 えっ、それはすごい!

比嘉 ですから、自動車を走らせれば空気清浄機になる。それは実験でも証明しています。今は未来型の技術として、われわれが本当に力をつけていかなければならないときなのです。

中西 先ほど、自然界のエネルギーを取り込んでいく微生物の話がありましたが、それを応用すれば、エネルギーの問題も解決しちゃうんじゃないですか。

比嘉 光合成細菌のようなものを濃縮して太陽や風、温度差によりエネルギーに変動があれば、それが電気になる。こうすれば無限にエネルギーが作れるんではないですか。いずれにしても、汚染をエネルギーに変える、しかも使えば使うほど環境がきれいになるという蘇生の仕組みの中に組み込まれないと…。

中西 もう一つ、世界的に水不足が騒がれ出しましたね。日本はあまり影響ないようですが、中国では相当深刻になっているようです。水不足はEMでなんとかならないんですか。

比嘉 南京に水の専門家を養成する河海大学があり、私はそこのアドバイザー教授として年一回、専門家を集めた特別講義や研修会を行っています。そこはもうEM博士、EM修士がたくさん誕生しています。そこでは古い水を永久に循環する方法を取り入れています。トイレの水や一般の生活用水は、このシステムで十分まかなえます。農業用水は、EMで抗酸化レベルに純化して、しかも永久マルチ方式で耕さない。収穫した後の穴にEMを入れていくだけですから、水分量はだいたい十分の一ぐらいでカバーできます。農業はシステムを変えなければ、もう従来の方法では限界なのです。飲み水はEMでハイレベルの水にする。それでも足りないなら、海水を逆浸透膜方式でやるのもいいですし、蒸発方式でやってもいいです。海水がある限り、私は水の心配はないと思っていますけど(笑)。というのはEMを入れて逆浸透膜を通すとすごく簡単に真水が取れるんですよ。逆浸透膜の寿命も何倍の長持ちしますから…。

 

ワンネスの世界は生きるベースを作ってから…

中西 そうすると私が知っているEMとまったく違うレベルまで発展してきていますね。

比嘉 最初に、EMをみんなの共有財産にすると宣言したのです。過当競争をコントロールしてすべてを公開し、いろいろなモデル事業を推進して、余ったお金はすべて社会がよくなるための運動またはモデルに使用するという宣言です。こんな貨幣経済の中でも影響を受けないで生きていけるというモデルができれば、競争する必要はありません、今回の金融危機は、そういうことに目覚めさせてくれたということであれば、そのほうに意味がある。

中西 本当ですね。

比嘉 起こるべきことは、そういう要素があって起きているんですから、古いことに固執しないで変えればいいんですよ。目標は貧困と差別の解消ですから。われわれはアフリカなどから一つずつやっていこうと…。

中西 もう比嘉先生に総理大臣になって全部やってもらったら、最高の世の中になりますね(笑)。

比嘉 私はまったくの極貧の国、ハイチにもし自分がそこに住むことになったらどうするか、ということを常に考えて対応するんですが、最後にこう言ったのです。

「うんち、、、をしてくれるだけでありがたい存在だ」と。このうんちにEMを使うとすごく高級な肥料になるんですよ。循環させられるから。それだけの覚悟を決めないと、極貧国を自立させることは不可能です。それと比べたら、日本は天国みたいなところです。みんなまだまだ真剣勝負をしていない。

中西 日本にいると世界の貧困が見えないですものね。世界がワンネスになるためには、EM技術が本当に必要ですね。

比嘉 あらゆる環境のベースが出来上がったうえでワンネスの考え方などが浸透すると、理想の社会が実現する。理想の実現には病気にならない、飢えないといった生きる上でのベースがしっかりしていないと本物にならないんです。だからそっちのほうをまず整備しようと。材料を輸入してするではなく、自分の周辺にある材料で生きていくことができるんですから。そういうふうにして安全で快適、ローコスト、ハイクオリティー、そして持続可能なベースができるれば、どんな理想も追求できるのです。

中西 いや〜楽しいお話をありがとうございました。

 

「いやしの村だより」2009年3月号掲載

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