姉殺害:発達障害の被告に求刑超す懲役20年判決…大阪

毎日新聞 2012年07月30日 21時46分(最終更新 07月30日 23時53分)

 姉を殺害したとして殺人罪に問われた大東(おおひがし)一広被告(42)=大阪市平野区=の裁判員裁判で、大阪地裁(河原俊也裁判長)は30日、懲役16年の求刑を超える懲役20年を言い渡した。判決は、大東被告が広汎(こうはん)性発達障害の一種、アスペルガー症候群と認定。母親らが被告との同居を断り、被告の障害に対応できる受け皿が社会にないとして、「再犯の恐れがあり、許される限り長期間内省を深めさせることが社会秩序のためになる」と述べ、殺人罪の有期刑の上限が相当とした。

 大東被告は小学5年生で不登校となってから、自宅に引きこもる生活を送っていた。判決は、引きこもりの問題を姉のせいと思い込んだ被告が、姉に恨みを募らせた末の犯行と指摘。動機にアスペルガー症候群が影響したと認定する一方、「最終的には自分の意思で犯行に踏み切った」と述べた。また、判決は被告の態度にも言及し、「(障害の)影響があるとはいえ、十分な反省がないまま社会復帰すれば、同様の犯行に及ぶことが心配される」と指摘した。

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