記者の世界の裏側をのぞけるのも、本書の特徴。「安全保障」を理由に記事の送稿を妨げる軍の指揮官と対立していた記者たちは「興南撤収作戦」の件で爆発した。当時、興南の現場にはおよそ10人の従軍記者がいたが、報道を自制していた。ところが東京からロイターがこのニュースを打電してしまった。また、女性従軍記者だった米国のマーガレット・ヒギンスに対する男性記者の「嫉妬」、砲弾が落ちてくる戦場でシェークスピアを読む英紙タイムズの記者など、異色の話もある。フランスの記者たちは「自然の隠れ家だらけのこの山岳国家で、敵は自然の効果的な保護を受けている。従って歩兵の戦いをしてこそ解決できる。国連軍の物量攻勢は、韓国の地形には適切ではなかった」とも指摘した。320ページ、1万5000ウォン(約1040円)。