(cache) 仙波敏郎愛媛県警巡査部長に聞く「裏金告発の行方」
 




 

告発前夜、夜のカーチェイス


愛媛県警巡査部長
仙波敏郎 氏  

運営者 尾行というのは何のためにつけるんでしょうか? これも税金なんですけどね。

仙波  まずひとつは、僕に対する圧力でしょうかね。

運営者 だからわざと分かるようにつけてくるんですかね。

仙波  尾行が未熟だったのかもしれませんがね(笑)。本当の狙いはアラ捜しだったのでしょう。行動パターンを把握するつもりもあったかもしれません。念のためにね。

運営者 県警は組織的に仙波さんをつぶしにかかってきたということですね。

仙波  そして1月19日、告発の前の日に、県警本部で夜の11時まで、例の課長らに「告発をするな」と説得をされました。

運営者 オンブズえひめが告発会見をするということは事前にわかっていますからね。
 それで大阪地検の三井環検事が、検察庁の裏金についてテレビ朝日のインタビューを受けるという直前に逮捕されてしまったように、あるいはテレビ朝日で匿名で裏金を告発したために微罪逮捕=懲戒免職の憂き目を見た群馬県警の大河原宗平さんのように、この日は仙波さんの身にも危険が迫っていたはずです。

仙波  説得の時に、課長は「仙波、お前を拉致しようという話が出たんぞ。だけどわしが止めた」とまで言ってましたからね。
 説得が終わって、僕が県警本部を出ると、車が2台ついてきて、2人ずつ乗っていました。

運営者 どうやって撒(ま)いたんですか

仙波  信号無視をやるとまずいので、ボロの軽四で、一方通行をゆっくり走るんです。

運営者 信号無視したら、即捕まっちゃいますからね。

仙波  だから後ろの車が信号に引っかかるように時間を稼ぎながら走るんですよ。もうすぐ黄色になるなという瞬間を待って、黄色になった瞬間に僕が車を出すと、2台ついてきているうちの後ろの車は赤信号にかかります。
 そしてまた一方通行の道をゆっくり進んで、渋滞してる中に割り込むんですよ。夜のことですから、タクシーや代行運転車なんかがいるわけです。そこの間に割り込んでしまって、後ろから尾行してる車が割り込めないようにするんです。

運営者 さすがプロですね。そうやって撒いたんですか。

仙波  そして車をパーキングに入れ、歩いてホテルに向かいました。家の方は義妹に留守番を頼んでおきました。

運営者 あらかじめホテルを予約してあったんですか? 着替えとかもホテルの中に入れてあったとか?

仙波  いえ全然。ただ、今考えるとあれは用心だったんでしょうね。尾行があったので、何が起こるか分からないから、告発の日に使うスーツだけは車の中に入れておいたんですよ。

運営者 そして告発の朝を迎えた?

仙波  ええ。

 

次へ進む

 ◆仙波関連記事ナビ

「正義の人」 シナリオ版「仙波敏郎物語」 目次
インタビュー 仙波敏郎氏に聞く「裏金告発の行方」 目次
ジャーナリスト 東玲治氏を悼む 目次
東玲治氏に聞く「高裁判決の行方」 目次
仙波敏郎裁判傍聴記
警察組織のココがおかしい
仙波敏郎講演会 動画リンク


日本のカイシャ、いかがなものか! copyright(c) by Shinya Okamoto, all rights reserved.