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'12/7/22

線量計鉛カバーは役員の指示 原発事故収束で9人使用


 東京電力福島第1原発事故の収束作業を請け負った福島県の建設会社「ビルドアップ」(和田孝わだ・たかし社長)の役員が、警報付き線量計(APD)を鉛のカバーで覆うよう作業員に強要した問題で、同社は21日、役員の指示で作業員9人がカバーで覆ったAPDを使ったと認めた。

 ビルド社は、強要を指示した役員から和田社長が電話で聞き取った内容を明らかにした。聞き取りによると、カバーで覆って使用したのは1度で、その後は使わなかったという。作業は資材運搬などで、3時間程度だった。

 役員は「事前に現場に行った際、APDの音に驚き、鉛防御のイメージが頭の中に浮かんだ」と話し、和田社長が認識について尋ねると「申し訳ありません。その時は測定器の遮蔽しゃへいしか考えつかなかった」と答えたとしている。

 関係者によると、この役員は昨年12月1日、鉛板で作ったカバーを示し、翌日の作業で装着するAPDをカバーで覆わせた。

 ビルド社は東電グループの東京エネシス(東京)の下請け企業。厚生労働省は労働安全衛生法違反の疑いもあるとみて調査を進めており、21日に福島労働局などが第1原発内の関係先を立ち入り検査。東京エネシスの作業員の名簿などの書類を確認した。




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