■30年ぶりに訪れた激変期
今や世界中に新たなムードが広がった。中国では、政治指導者が富を素直に称賛するのを控えている。欧米では、財政運営に苦しむ政治家が嫌われ者になった富裕層に熱心に増税を課そうとしている。大きな疑問は、グローバル化した世界でこれがまだ可能かどうかだ。キャメロン首相の軽率な赤じゅうたん発言が浮き彫りにしたように、税率をいきなり大幅に引き上げる政府は、資本と企業の逃避を引き起こす恐れがある。大金持ちは移動をいとわず賢明だ。
だが、そこそこ裕福なだけの人は欧米各地の新たな増税措置を避けるのが難しいことに気づきそうだ。サッチャー氏が79年に破った当時の首相、ジェームズ・キャラハン氏は示唆に富んだ発言をしている。「恐らく30年に1度ほど、政治が激変する時がある」。サッチャー・レーガン時代の始まりからほぼ30年たった今、新たな激変期がやってきた。
By Gideon Rachman
(翻訳協力 JBpress)
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