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政治
北の思惑で進む遺骨交渉「拉致外しあってはならない」
2012.8.11 01:04
遺骨返還問題をめぐり、日本政府は「拉致問題棚上げにつながってはならない」と距離を置いてみてきた。今回の日朝赤十字協議では双方が政府に交渉を働きかけることで合意しており、遺骨問題を外貨獲得工作と位置づける北朝鮮側が一歩押し出した形だ。
「拉致問題とは別の問題として適切に判断されるべきだ。北朝鮮が拉致問題を(交渉の)争点から外すようなことがあってはならない」。松原仁拉致問題担当相は10日の会見で協議についてこうクギを刺した。
北朝鮮は昨年7月、遺骨返還問題を外貨獲得手段とみなして交渉するよう内部決定したことが判明している。金正恩政権になってからは、日本メディアに平壌郊外の「邦人墓地」を公開するなど“攻勢”を強めるとともに、国営メディアを使って拉致問題は「存在もにおいもしない」と、解決済みとの立場を鮮明にしてきた。「拉致外し」と遺骨交渉をセットにしてメッセージを発信しているのだ。
交渉の足掛かりと割り切り、あえて北朝鮮の思惑に乗るのか、「拉致なくして交渉なし」の姿勢を維持するのか、野田佳彦政権の対北外交の根幹が問われている。(桜井紀雄)
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