蹴球探訪
J2上位を快走!湘南・チョウ監督(5月9日)
トップ > 中日スポーツ > スポーツ > 紙面から一覧 > 記事
【スポーツ】桐光学園・松井が大会新の22奪K 10連続三振も2012年8月10日 紙面から
◇全国高校野球選手権大会<第2日>恐るべき16歳が甲子園を震撼(しんかん)させた。「神奈川のドクターK」の異名を取る桐光学園(神奈川)の松井裕樹投手(2年)が今治西(愛媛)を相手に、140キロ台の速球と大きく曲がる変化球で、22奪三振&10連続奪三振の大会新記録を達成。自ら3ラン本塁打も放ち、7−0で完封勝ちした。新怪物誕生を予感させる174センチ左腕の鮮烈な甲子園デビューに、高校野球ファンもネット裏のスカウト陣も騒然。一躍、来年のドラフトの目玉に浮上した。 最後の打者を迎えたマウンドで、2年生エースの松井が何やら口を動かしていた。独り言をつぶやいているようにも見える。その直後だ。低めのスライダーに今治西の4番・末広のバットが回って、22個目の奪三振ショーを締めくくった。 「あれは相手の応援ソングを口ずさみ、リズムをとっていたんです」 スーパー2年生の恐るべき余裕がのぞいた瞬間だった。1試合最多奪三振の大会新記録をやってのけ、甲子園デビュー戦を完封勝利で飾ったお立ち台でも16歳の左腕には手放しで喜ぶ姿はない。 「きょうはうれしいが、長い歴史の大会での新記録に恥じないピッチングをこれからしないといけない。プレッシャーにはなるが、ハードルを高くして戦って成長していきたい」 今治西の1番・池内を見送り三振させたのを手始めに、2回までの6アウトはすべて三振。その後も勢いは止まらない。左打者には外角に落ちる縦のスライダーを勝負球に、右打者には高低をいかした投球で手玉に取った。9回の先頭・池内の空振り三振で、これまでの大会記録を抜く20個目の奪三振。続く代打・吉本の見逃し三振で、6回から10打者連続三振をやってのけた。 5回には右越えの3ランも放ち、投打に活躍。その勢いで上った6回のマウンドで、桧垣に中前打されて初安打を許した時だけが「ちょっと悔しいかな」と振り返った。 160キロ剛腕の花巻東・大谷の姿がない今大会に、現れた2年生ヒーロー。ネット裏のスカウトたちが身を乗り出した。「投げっぷりがいい。あのスライダーは威力があるし、三振が取れるのは一番の魅力」と広島・宮本スカウト部付き部長。巨人・山下スカウト部長は、松井があこがれるのが左腕・杉内と知らされると「それだけの目標を掲げるに、ふさわしい選手。2年生だけど、今すぐドラフトの上位指名したくなる」と褒めあげた。そのスピードガンは最速146キロを記録した。 神奈川大会では6試合46イニング1/3で68奪三振。奪三振率は13・21をマークした“神奈川のドクターK”が全国舞台で主役に躍り出た。(阿知波浩二) PR情報
おすすめサイトads by adingo
|