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耳より情報(2012年5月号)  


◆地デジ対応ラジオ

株式会社アステムが開発中の卓上型地デジ対応ラジオは、FM、AM放送に加えて、地上デジタルテレビ(ワンセグ)の音声も受信できます。
従来のアナログテレビ放送をテレビ音声受信対応のラジオで利用していた多くの視覚障害者が、昨年7月の地上デジタル放送移行後、テレビ音声を利用できないという悩みを聞いた同社が開発に踏み切りました。
ラジオには設定メニューやチャンネル・バンド切り替え時などに視覚障害者が自力で操作状態を把握できるように音声ガイドを付加していて、「テレビ放送です」「2チャンネルです」などと音声が流れます。
また、気象庁から最大震度5弱以上の揺れが予想されたときに発信される緊急地震速報にも対応していて、電源を切っていても受信できます。
ただし、副音声の解説放送についてはNHK総合の連続テレビ小説のような通常のワンセグ放送で受信可能なものに限られ、大河ドラマの解説などは受信できません。
発売は今年の夏の予定で、価格は2万円台になる見込み。
また、放送関連機器メーカーの加美電子工業も地デジ対応のラジオを発売予定で、「価格は2万円以下に抑えたい。地域に密着した電器店などで販売する」ということです。


◆障害者雇用テーマに大阪で国際セミナー

公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会と国際障害者交流センターの主催による国際セミナー「インクルーシブな障害者雇用の現在 ソーシャル・ファームの新しい流れ」が、大阪府堺市の「国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)」で開催されます。障害者を含む就業困難者が一般労働市場でも働けるようにするための企業であるソーシャル・ファームについて、先進各国の現状を紹介し、我が国の障害者雇用のあり方についても考えるセミナーです。
日時:6月17日(日)午前10時30分〜午後5時
会場:国際障害者交流センター(泉北高速鉄道「泉ヶ丘駅」すぐ)
内容:基調講演「日本におけるソーシャル・ファームの動向」、講演1「欧州のソーシャル・ファームの現状と評価」、講演2「英国のソーシャル・ファームの動向」、講演3「オランダとベルギーのソーシャル・ファームの動向」、パネルディスカッションなど。
定員:300名
参加費:無料
申し込み:所定の参加申込書に必要事項を記入して、FAX、郵送、Eメールのいずれかで送付
(申込書は、http://www.normanet.ne.jp/info/seminar120617.htmlからダウンロードできます)
送り先:日本障害者リハビリテーション協会・情報センター(担当:有田・野村、電話03−5273−0796、FAX03−5273−0615、Eメール:dinf-j@dinf.ne.jp
締め切り:6月8日
※点字プログラムなど情報保障もあります。セミナー終了後の懇親会(定員50名、事前申し込み)の参加費は1000円です。


◆視覚障害者のクライミング支援「モンキーマジックTシャツ」

株式会社ゴールドウインが展開する「ザ・ノース・フェイス」は、視覚障害者のクライミングをサポートするNPO法人「モンキーマジック」を支援するTシャツを今年も発売開始。この販売企画は2006年からスタートし、今年で7年目となります。
「モンキーマジック」は、多くの場合でスポーツをあきらめなければならない視覚障害者の人々でも、ロッククライミングをすることは可能とし、スクール活動を通じてそういった方々がクライミングする手助けをしています。クライミング界、クライマーを支援してきた「ザ・ノース・フェイス」は、そのモンキーマジックの活動に共感。支援Tシャツを製作・販売し、売り上げの一部をモンキーマジックに寄付しています。
背中側にプリンとされているデザインは、壁を軽快に登るモンキーのイラストで、視覚障害者によるクライミングを表現。モンキーマジックのテーマ「No sight But on sight!(見えなくても、見えづらくても、オンサイトで登れるぜ!)」のメッセージが背中に点字表記で凸プリントされている。胸にはモンキーのワンポイント刺繍つき。
素材は、吸湿速乾性の高いポリエステル100%。
価格は男性用・女性用とも税込み4410円。
ノースフェイスの直営店舗か取り扱い小売店で購入できます。また、「モンキーマジック」に支援の寄付(一口4,000円)を直接した方には、サポートメンバーとしてこのTシャツがもらえます。
Tシャツの問い合わせ先:ゴールドウイン・カスタマーサービスセンター 電話0120−307−560
寄付の問い合わせ先:モンキーマジック 電話0422−20−4720


◆書籍「情報福祉論の新展開」 

視覚に障害をもつ韓星民(はん・すんみん)氏が、当事者の立場で支援研究・支援機器開発に従事した経験をもとにまとめた「情報福祉論の新展開 視覚障害者用アシスティブ・テクノロジーの理論と応用」を出版しました。
著者の韓氏は、点字ディスプレイの開発に携わり、現在は東京大学 先端科学技術研究センターの交流研究員として、バリアフリーの研究をしています。
本書は視覚障害者支援のための情報福祉論で、障害当事者が研究・開発の主体となっていない現状に警鐘を鳴らすとともに、障害当事者による開発の有効性、可能性を示しています。
明石書店発行、A5判240ページ、税込み4725円。
テキストデータ引換券が付いていますので、原本を購入すればテキストデータが入手できます。


◆「ライトの点く傘」

「レインボーフラッシュ LED傘」
傘のグリップ部分にあるスイッチ一つで傘の柄から先端の石突部分までが高輝度LEDで光ります。周囲の人や自動車やバイクのドライバーにも注意喚起できるので、雨の日の暗い夜道での安全や防犯に役立ちます。
点灯パターンは全部で9種類。赤、青、緑、紫、水色、黄色、ピンクのいずれかの色が常時光るパターンと、これらの色が1秒おきに早く七色に変化するパターン、そして3秒おきに遅く変化するパターンがあります。
グリップの底のキャップ部分は、LED式懐中電灯になっています。
拡げた直径は102センチ、長さ82センチで、成人男性にも充分な大きさで、重さは450グラム。色は黒、赤、青の3色。
電池の寿命は1日2時間の使用で12日間が目安になります。
価格は1870円で、送料が含まれています。
問い合わせ先:日本点字図書館用具事業課 電話03−3209−0751

「Toffy トーチライトアンブレラ」
いざという時にはライトを点灯できる晴雨兼用傘です。
色はピンクと黒の2色。どちらも水玉模様で、生地の縁取りはレース風の仕上げです。親骨の長さは49センチで、重さは180グラム。
アルカリボタン電池3個使用で、連続点灯時間は約6時間です。
価格は、税込み2100円。
問い合わせ先:株式会社Gクラッセ・トフィー 電話03−6218−4180


次は、新着情報からです。


◆「4しょく会」春のイベント〜目に見えぬ 結びをつくる ボランティア〜

今回のイベントのテーマは、“ボランティアは目が見える視覚障害者になれるのか!? 〜「for」でも「with」でもない「from the blind」の立ち位置〜”
見常者5人のボランティア体験を聞き、参加者各自が視覚障害者と見常者を結びつけるボランティアの役割を再確認しましょう。後半のフリーディスカッションでは「情報保障でなく情報変換」「社会への統合でなく進出」を具体化する「4しょく会流ボランティア」の未来について議論します。
日時:2012年6月3日(日)午後1時〜5時
会場:長岡京市中央生涯学習センター「市民ギャラリー」(JR長岡京駅すぐ)
参加費:会員および学生300円、非会員500円
懇親会:イベント終了後、会場近くにて、希望者のみ、会費4000円程度
申し込み:5月25日までに電話かメールで、名前(フルネーム)・電話番号またはメールアドレス・懇親会の出欠をお伝えください。
電話 080−2527−9383(萩原さん、平日午前9時〜午後5時)
メール jasmine@hcc5.bai.ne.jp


◆第6回神戸ライトセンターまつり

日時:2012年6月10日(日曜)午後1時30分〜4時
会場:中山記念会館内 神戸ライトセンター
入場:無料
内容:リコーダー演奏やボランティア団体紹介、音声パソコンでスカイプ体験、伴歩体験会など
問い合わせ:神戸ライトセンター 電話080−4024−6664



今月の耳より情報は以上です。



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