[ENGLISH]
(参考)
(1)ICJは、国際法に基づく国家間の紛争の平和的解決を任務として、1945年に設立された国連の「主要な司法機関」。オランダのハーグに所在し、国連総会及び安保理双方の選挙で選ばれた裁判官15名で構成。
(2)国家間の裁判手続のほか、国連の諸機関の求めに応じ、法律問題に勧告的意見を述べることができる。
(3)現在のICJ規程の当事国は192ヶ国(注:国連加盟国は当然にICJ規程の当事国となる。)。我が国は1956年の国連加盟に先立ち、1954年4月2日にICJ規程の当事国となった。
(1)ICJは、裁判官15名により構成される裁判官会議において、3年ごとに裁判所長及び裁判所次長を選挙する(任期は2月6日から3年間、再選可)。選挙は裁判官の互選により秘密投票で行われ、過半数の票を得た者が当選したものとされる。
(2)裁判所長は、裁判所のすべての会議を主宰するほか、裁判所の業務を指揮し、運営を監督する。
(3)今回の選挙では、小和田裁判官が所長に選出されたほか、トムカ裁判官(スロバキア)が次長に選出された。なお、本件選挙は裁判官の互選によるため、他の立候補者や投票結果等の詳細情報は非公開であり、不明。
(4)これまでの我が国出身のICJ裁判官には、小和田裁判官のほか、小田滋裁判官(1976~2003年、1991~1994年は裁判所次長)及び田中耕太郎裁判官(1961~1970年)がいるが、日本人裁判官がICJ所長を務めるのは今回の小和田裁判官が初めてである。(なお、国際連盟における国際司法機関であり、ICJの前身にあたる常設国際司法裁判所(PCIJ)においては、安達峰一郎裁判官が所長(1931~1934年)を務めている。)
2002年11月に行われた裁判官選挙で選出されたICJ裁判官(2003年2月より現職、任期は12年2月までの9年間)。裁判官就任前は、1955年に外務省入省、国際法関連の業務に長く携わった後、条約局長、官房長、OECD日本政府常駐代表(特命全権大使)、外務審議官、外務事務次官、国際連合日本政府常駐代表(特命全権大使)等を歴任し、1999年に退官。他に、財団法人日本国際問題研究所理事長(1999-2003)、常設仲裁裁判所裁判官(2001-現在)等。東京大学教養学部教養学科卒業、英国ケンブリッジ大学法学部大学院修士課程修了。