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国際
日朝赤十字が遺骨返還・墓参に向け協議 政府の関与要請へ、拉致言及なし
2012.8.10 19:42
【北京=川越一】日本赤十字社と朝鮮赤十字会は10日、北京市内のホテルで最終日の協議を行い、北朝鮮に残る日本人の遺骨の返還や墓参の早期実現に向けて、両国政府当局者を交えて交渉を継続していくことで合意した。2日間にわたった協議の中で、拉致問題に関する言及はなかった。
日本赤十字社の田坂治国際部長によると、北朝鮮側は遺骨の調査をしている地域や、これまでに確認された遺骨の数などを口頭で伝えてきた。遺族や赤十字関係者の訪朝を歓迎する姿勢も示したという。
田坂部長は「前向きに進めていこうという強い意向が示された。事柄の性格上、政府の関与が欠かせない」と評価。今後の協議日程は未定だが、双方が政府へ協力を要請していくことでは一致した。
一方、北朝鮮の李虎林(リ・ホリム)事務総長は「ある程度の合意をみた。その他の重要な問題は引き続き協議する」と説明。意見の相違があったともとれる発言に、日本側は戸惑っている。
北朝鮮側が言う「重要な問題」とは何か。1956年に日朝赤十字が共同コミュニケに調印してから50年以上も放置されてきた問題が昨年来、突然動き出したことについても、日本側は真意をつかみかねている。
北朝鮮は遺骨返還を通し外貨獲得を実現したい考えとされるが、今回は金銭絡みの話は控えた。代わりに自国の水害被害を持ち出した。多くの“支援”を引き出すため、日本側の出方をうかがっているようだ。
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