2012.08.10 Fri posted at 12:46 JST
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(CNN) ロシア中部のタタルスタン共和国で、イスラム系を名乗る教団のメンバー少なくとも57人が地下で生活しているのが見つかり、解放された。ロシアの警察が明らかにした。中には1度も太陽を見たことがない子どもも多数いたという。
地下から解放されたメンバーのうち、少なくとも19人は1歳から17歳までの子どもだった。17歳で妊娠している子どももいた。
警察はタタルスタンの武装勢力に対する捜査の一環として1日に捜索を行い、同共和国の中心都市カザンの近郊で地下壕を発見。地下壕は崩れかけたコンクリートで区画を仕切って地面の下に何層もの狭い部屋が設けられ、灯りも通気口も暖房も付いていなかった。
ロシア国営テレビによれば、教団の指導者は83歳の男性で、予言者を名乗っているという。警察はこの男とメンバー数人を拘束して取り調べている。
現地からの報道によると、信者たちは孤立した生活を送り、ロシアの法律にもタタルスタンのイスラム指導者の教えにも従っていなかった。
病院関係者によると、子どもたちは食事を食べさせてもらい、一部は病院で治療を受けているが、健康状態は問題なさそうだという。ただ、かなり汚れた状態だったといい、体を洗ってもらった後に健康診断を受けている。
イスラム教とロシアに詳しい米国の専門家はこの教団について、教祖がイスラム教徒を自称しているからといって、短絡的にイスラム教と結び付けることはできないと指摘している。