石川県内灘町の小学校で10月下旬、「娘がいじめを受けた」と訴えていた50代の父親が、授業中の教室に入り、クラスメートの男児を殴ってけがを負わせていたことが町教育委員会への取材で分かった。けがをした男児の保護者は津幡署に被害届を出したという。
町教委によると、女児の父親は朝、学校を訪れ、「いじめられている子どもの気持ちを話させてほしい」と担任の教師に申し出た。父親は担任の許可を得て1時間目の授業中の教室に入ると、複数の児童に「こんなことを言っただろう」などと問いつめた。うち1人の男児の受け答えに立腹し、担任の制止を振り切って男児の胸ぐらをつかみ、数回げんこつで殴った。男児は鼻から出血し、病院で治療を受けた。
町教委は、1学期に女児に対するいじめがあったことを認めつつ、「現在はいじめはない」としている。
西尾雄次町教育長は、取材に「保護者が児童に手をかける行為は問題だが、授業中の教室に保護者を入れた担任の判断にも誤りがあった。教室でこのようなことが起きて大変申し訳ない」と話した。(目黒隆行)