東日本大震災:千葉市長、がれき受け入れ辞退 「市民感情も変化」 /千葉
毎日新聞 2012年08月10日 地方版
「受け入れ要請が遅いので、市民感情も変化してしまった」−−。千葉市の熊谷俊人市長は9日の定例記者会見で、3月に自ら表明していた東北地方の震災がれき受け入れの辞退を表明した。県内では、受け入れ表明していた市川市など千葉市以外の自治体には、がれき受け入れの要請自体がなく、賛否両論が巻き起こっていた東北の震災がれき受け入れは、最終的に実現しないことになった。
熊谷市長は今年3月、震災がれきの受け入れを表明。その後、復興支援などで職員を多く派遣していた岩手県陸前高田市のがれきを受け入れる意向を固めていたが、調整役の環境省や岩手県などからの連絡がない。熊谷市長も「受け入れには、清掃工場や最終処分場周辺の住民への説明が大前提なのに、具体的な話がないと説明さえできない」と気をもむ状況が続く一方、市には電話やメールなどで300件以上の受け入れ反対意見が寄せられていた。