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被害届は即時受理 重大不祥事続発、新たな対策通達 警察庁

産経新聞 8月9日(木)14時16分配信

 減少傾向にあった全国の警察官の不祥事が一転して急増しているため、警察庁は9日、不祥事防止へ向けて平成12年に策定された「警察改革要綱」の徹底を図ろうと、新たに12項目にまとめられた防止策を早急に実施するよう全国の警察本部に通達した。

 警察庁が同日に明らかにした平成24年上半期(1〜6月)の懲戒処分者は、免職31人▽停職52人▽減給77人など計205人に上る。過去の各年の上半期で比較すると、合計数が200人を超えたのは平成15年以来。特に免職にあたる重大な不祥事は過去10年で最悪のペースで推移している。

 最近の重大な不祥事としては、昨年12月に女性2人が殺害された長崎県ストーカー事件では千葉県警習志野署の署員が被害届の受理を先送りした間に事件が発生したほか、静岡県警磐田署の署長が署員の不祥事を隠蔽したとして今年4月に犯人隠避容疑で書類送検されるなど、全国の警察で相次いでいる。

 こうした事態を踏まえ、警察庁は新たな対策として(1)被害相談については捜査部門でなく総務・警務などの管理部門で受け付け署長らが直接管理する(2)被害届は全件を即時に受理する(3)全国警察で不祥事データを共有し教訓として生かす−などについて早急に実施すべき施策とした。

 警察の重大な不祥事は平成11〜12年に相次いで発覚。神奈川県警による覚醒剤使用もみ消し事件や、長期間にわたる監禁事件の被害女性が保護された際に新潟県警幹部らが雪見酒に興じていた問題などが大きな批判の対象となった。

 このため警察庁は12年、再発防止に向け有識者らの意見を踏まえて警察改革要綱を策定。その後、不祥事は減少してきたが、22年以降に急増したことから、今年4月に新たに委員会を設置して不祥事根絶に向け検討を継続してきた。

 委員会での議論を経て結論がまとまりかけていた今年7〜8月上旬には、福岡県警の捜査員が暴力団側から賄賂を受け取っていたとして収賄容疑で逮捕、大阪府警では女性に飲酒させたうえで乱暴したとして準強姦容疑で逮捕者が出たほか、神奈川県警では男性警察官による女性警察官への集団セクハラ行為が発覚している。

 警察庁幹部は、「警察改革のスタートから10年以上が経過し、危機意識や緊張感が失われてきた可能性がある。再度、警察改革の精神を徹底したい」と話している。

最終更新:8月9日(木)14時16分

産経新聞

 

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