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生ゴミュニケーション:(名張市議)田合豪

1993年11月執筆
 
 

ネットワーク 「生ゴミュニケーション」

 

 中央高速道路多治見インターチェンジから車で約1時間のところに、人口8万3000人の岐阜県可児(かに)市がある。

 

 可児市では、去年3月(1992年)に生ゴミのリサイクルを主な活動とする「環境浄化を進める会」が発足し、そのユニークな活動内容が全国から注目されている。

 

この会を発足させたのは、会長の奥村由勝さん(49歳・「地域から日本を変える」会員)

 

 奥村さん、4年ほど前(1989年)から自宅で出た生ゴミを処理しようとボカシ」作りに取り組み始めた。「ボカシ」とは、有機微生物、EM(Effective Micro Organisms)菌に、米糠、ワラ、糖蜜などを混ぜて作った発酵堆肥材である。
 
この「ボカシ」と生ゴミを和えると、悪臭がなく、有機肥料としても有効に使用出来、単にゴミ処理だけでなく、ゴミのリサイクルにもつながる。
 
 このことを知った奥村さんは、会を発足するまでの3年間、いい「ボカシ」を作り、自宅で出た生ゴミを有効処理するにはどうしたらよいかを試行錯誤しながら考えた。
 
EM菌を作った琉球大学の比嘉照夫教授らの協力もあり、いい「ボカシ」が作れるようになったとき、が新たにゴミ処理場を建築する話がもちあがった
 
 「新しいゴミ処理場の建設も必要なことだが、ゴミを出さない工夫やリサイクルを考えることも大切ではないか」。奥村さんは「ボカシ」を使った生ゴミの処理方法を市に提案し去年の3月に「環境浄化を進める会」を発足させた。そして、市の環境課と協力し、運動を展開していった。
 

 平成4年度の1年間で、自治会、婦人会を中心に「ボカシ」を使ったゴミ処理の説明会を46箇所行った。と同時に、当初は 普及のために 「ボカシ」を1000個、無料で配布し、それから以後は市の環境課など市内12箇所で、一袋300グラム入りを100円で販売している。

 

 ほかの市町村の議員や職員の視察はこれまでに85箇所、約300人が訪れている。視察の中には、ハワイ、台湾、韓国など海外からのものも含まれている。

 

 「最初から『ゴミを減らしましょう』では義務的になります。野菜づくりを楽しみながらやって、その結果としてゴミが減っていたという形を志向したいと思います」。
 

 その活動が実ったのか、運動が始まってからの平成4年度の可児市の可燃性ゴミは1万2625トンと、1年前に比べて約1200トンの減量に成功している。可児市がゴミ1トンを処理するのにかかる経費は約2万円。1年間で約2400万円(1世帯当たり約1000円)の財源を節約できたことになる。

 

 設立当時600人だった会員も、現在では、約4000人に(平成5年7月1日)。可児市だけでなく近隣の市町村をはじめ、関西や関東方面にも会員がいるという。

 

 奥村さんは、「環境問題と言ってもピンときません。それを家庭から出る生ゴミの問題に置き換えると、少しはわかってくれるのです。いままでゴミとしか見れなかった物を有効に使う、嫌な臭いもなくなる。そして一番大切なことは誰にでもできることです」と、熱っぽく語る

 

 いま、奥村さんは、仕事そっちのけで「ボカシ」作りに追われている。自宅を訪れたその日も、問い合わせの電話や、全国の会員に発送する「ボカシ」の荷造りに追われていた。

 ひとりの「言いだしべえ」から始まった運動は1年間で着実な成果を上げ、全国に向けてゴミュニケーションを発信中だ。
 
田合豪/松下政経塾第13期生
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