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ペアリングに込めた思いは現実のものになった―。8日のロンドン五輪レスリング女子48キロ級で悲願の金メダルを獲得した小原日登美(31)は、夫・康司さん(30)との結婚指輪に五輪旗をデザインしていた。リングの裏側には、2人の名前と秘密の願い事「Gold Medal」の文字が刻まれていた。
涙のウイニングランを終えた小原は、康司さんから結婚指輪を受け取ると、大切そうに左手の薬指に戻した。泣きはらした顔は、いつしか笑顔に変わっていた。
指輪の製作を手掛けた男性は、テレビ中継を見ながら思っていた。「あの時と同じ笑顔だなぁ。2人に指輪を手渡した時と同じ。本当にうれしそうだった」。2年前の夫婦の姿が浮かんだ。
2010年秋、オーダーメードリングの専門店「SORA」(東京都渋谷区)の店頭に立っていた同社・丸山聰(そう)社長(48)のもとを、小原夫妻が訪れた。「五輪旗をモチーフにした結婚指輪をつくってほしいんです」。理由を尋ねると、体格のいい花嫁は言った。「私、オリンピックの金メダルを目指しているんです」
打ち合わせを重ね、約2か月間の製作期間を経て完成した2本の指輪は、重ねると五輪旗になるデザイン。康司さんのリングにはサファイア(青)、ブラックダイヤ(黒)、ルビー(赤)、小原の指輪にはイエローダイヤ(黄)、グリーンガーネット(緑)があしらわれている。
丸山社長は表面の五輪マークだけでなく、裏面にも工夫をこらした。男性用にはイエローゴールド(金色)、女性用にはピンクゴールド(銅に近い金色)を配し、表面のプラチナ(銀色)と合わせたメダルカラーに。そして「Koji★Hitomi」の文字に加え、秘密のメッセージを入れた。社長は「私からは言えません」としたが実は、追い求め続けた願い事「Gold Medal」の文字だった。
ロンドンの観客席。左手に結婚指輪をした康司さんは、妻から預かったリングをネックレスに通してマットに声援を送り、祈った。そして歓喜の時。深夜の東京で声をからした丸山社長は「指輪の仕事を17年くらいしていますけど、こんな気持ちになったことはありません。この仕事をやってきて本当に良かった」と震えるような声で言った。
丸山社長には、帰国する夫妻に頼みたいことがある。「もう一度、ぜひ足を運んでいただいて、指輪を磨くメンテナンスをさせていただきたい。あと、仕事柄もありますけど、金メダルを見せてくれたらうれしいです」。黄金に輝くメダルと、5つの宝石と。きっと、どちらも負けないくらい輝いている。
(2012年8月10日06時05分 スポーツ報知)
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