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肥満受刑者に高カロリーかゆ強制は「人権侵害」
大阪刑務所(堺市)が男性受刑者1人の食事について、高血圧などの治療のための肥満解消を目的としながら、通常食より量が多く、高カロリーの「かゆ」にしたのは不合理で人権侵害に当たるとして、大阪弁護士会は9日、合理的な理由がない食事の変更を強制しないよう同刑務所に勧告した。
勧告書によると、同刑務所は2009年4月25日、当時50歳代だった受刑者について、医師から「低カロリー食が必要なので(量が減っても満腹感が得られる)かゆに変更するように」との指示を受け、主食の麦入り米飯をかゆに変更した。受刑者は「おいしくない」と嫌がったが、同刑務所は「減量効果が確認できた」という同年6月19日までかゆを出し続けた。
この受刑者が10年、「同意なくかゆを強制された」と人権救済を申し立て、同弁護士会が調査。同刑務所の主食は懲役作業の種類に応じ、3食で計1200~1600キロ・カロリーの3段階あり、この受刑者は最も少ない食事だったが、かゆは計1388キロ・カロリーだった。同弁護士会は「肥満は解消できず、医療効果を伴わない」と判断した。受刑者は体重が減った理由を「かゆを残すことが多かったためだろう」と説明したという。
同刑務所は「結果的にカロリーが増えてしまい、不適切だった」としている。
(2012年8月10日 読売新聞)
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