インターネット上の投稿で、私が扱ったE抗原(+)の妊婦さんの件が取り上げられていると聞きました。誤解されないように、差し支えない範囲で経緯を記しておきます。
かなり前(15年位前だと思います。)の件です。
お産は多くの場合、正常な経過により元気な赤ちゃんが産まれますが、中には妊娠中やお産の最中に異常事態が発生したり、持病があるハイリスク妊娠等もあり、このような場合は、勿論、病院に搬送したり、連携をしたりして対処します。 当助産所も、当時から二次救急指定病院と連携しており、又、当時はオープンシステム(分娩は病院で行い、これに立ち合って補助すること)も行っておりました。 上記のE抗原(+)の妊婦さんは、ご本人が、私と病院に対して、私の立ち合いを強く希望され、私は病院から依頼を受けて、その病院において、医師主導の下、私が分娩介助を行ったものであり、オープンシステムに基づくものです(もちろん、法令等に抵触する行為ではありません。)。従って、分娩は病院で行っております。 お産は、出血はあったものの感染もなく、無事に元気な赤ちゃんが産まれました。私も、お母様から大変感謝されて嬉しく思いました。 このお産では、私自身の問題として、大量の出血やこれによる感染のリスクもあるので、お手伝いすることにためらいもありましたが、私は信仰を持っており、これを心の糧として分娩をお手伝いすることにして、精一杯、介助致しました。この点、私が、あたかも信仰を理由に扱ってはいけないお産を扱ったかのような誤解による投稿を目にしたと聞きました。 しかし、経緯は上に記したとおりです。 当時は、助産師も、オープンシステム等の利用により、リスクのあるお産でも、その依頼により、医師主導の下、病院での立ち合いなどすることもあったと思いますが、やはり、心身の負担も大きいものでした、平成16年に助産所業務ガイドラインが制定されてからは、病院で立ち会うこともなくなっていると思います。助産所において、異常やリスクのあるお産を扱うことはありません。 言うまでもなく、安全な家庭出産を行うためには、嘱託医療機関や周産期医療ネットワークの緊急搬送機関との連携(関係)が非常に大切であり、私も病院や医療機関に助けて頂きながら、お産のお手伝いができておりますことを心より感謝しております。
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