名古屋グランパスのMF藤本淳吾(28)が9日、2つのリベンジを誓った。一つは衝撃的な逆転敗退を喫した前日のナビスコ杯清水戦の雪辱を、11日のリーグ清水戦で果たすこと。もう一つは、この日発表された日本代表ベネズエラ戦での活躍だ。6月のW杯最終予選3試合に招集されなかった悔しさを、約半年ぶりの復帰となる日本代表でぶつける。
猛暑の中でのクールダウンのランニングにも、藤本はスッキリとした表情で先頭を走った。前夜チームは自身の2点を含む3点を奪いながら、ロスタイムに逆転敗退。試合後、藤本は選手に義務付けられている取材エリアの通過を拒否した。悔恨にさいなまれ、寝付いたの午前3時ごろ。それでも、夜が明ければ気持ちは次へと向かっていた。前日のわがままを広報担当者に謝り、報道陣にも丁寧に対応した。
「3点目を取ってからの戦い方とか、もっと一人一人が責任を持ってプレーしないといけなかった。土曜日すぐ同じ相手と試合できるんで、そこでしっかり気持ちを出してやっていきたい」。大会は違えど中2日で同じ清水との連戦という珍しい状況で、精神面での立て直しを強調した。
そんな藤本に、吉報が届いた。日本代表ベネズエラ戦で、約半年ぶりの代表復帰。ただ、肝心要の6月のW杯最終予選3連戦に招集されなかったことには、じくじたる思いがあった。「悔しかったし、やれる自信もあった」。2月の親善試合では代表初ゴールを挙げ、W杯3次予選ウズベキスタン戦でも先発していただけに、「それでも入れなかったということは、力が足りなかったということ。何が足りないのかを意識してやりたい」と、9月のイラク戦に向けた試金石とするつもりだ。
もちろんその前にやるべきことは、古巣・清水への雪辱。優勝戦線に生き残るためにも、2ゴールを奪った魔法の左足を研ぐ。
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