北朝鮮:軍利権にメス…資源無許可輸出、死刑も
毎日新聞 2012年08月10日 02時31分
金第1書記は今年4月下旬、「地下資源開発を国が検討、承認する体系を厳格に立てよ」と指示。これを受けて布告には特に「武力、軍需、特殊部門を含むすべての機関、企業、団体に(布告が)適用され、反する者は地位と功労、所属を問わず逮捕し、罰する」と明記、特権を認めないことを強調している。
北朝鮮では軍などに上納金を支払って小規模炭鉱を独自開発する私企業に近い形態も広がっている。北朝鮮住民によると、この形式の炭鉱では利益に応じて従業員への食糧や給与を分配するため、摘発の危険性が高いにもかかわらず人気職場になっているという。
昨年末に朝鮮人民軍最高司令官となった金第1書記は今年7月中旬、大将から元帥に昇格し、軍部の掌握を完了させた。軍部掌握の過程と並行して、地下資源開発を巡る軍利権の整理に取りかかったとみられ、金第1書記の権力固めが着実に進んでいる様子が浮き彫りになっている。