日本サッカー協会会長・岡野俊一郎氏が語る ◆芝生は楽しむためのもの |
...と言えば「なにぃ!馬鹿なことを言うな!」と思われる方も多いと思う。
現在日本政府が承認している国は世界193ヶ国。
しかしFIFA(国際サッカー連盟)の登録国数は208協会。
(注:主権を持った独立国だけでなく、地域(たとえば中国の特別行政区である香港や、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国を構成するイングランド、北アイルランド、スコットランド、ウェールズはそれぞれ別々にFIFAに加盟している)
208教会が加盟するサッカーが、競技人口2億4000万人と言われており、世界で25人に1人がサッカーをやっていることになる。正確にカウントする手段がないので、サッカーが『世界でもっとも競技人口が多い説』が有力なのである。
その次はインドに競技人口が偏るクリケットと言われている。
ところで今年2009年3月23日に激戦を制し二連覇を果たし、日本国中を興奮に巻き込んだWBCだが、実際にこの大会の背景をしっかり理解している者は少ない。
おそらく『サッカーのワールドカップが野球のWBCだ!』と殆どの方が思われているのではないだろうか。
その大会に日本が勝った!
日本の野球は世界一だ!
そんな盛り上がりに水を差すつもりは毛ほどもないが、キチンと背景を理解しておくことの方が賢明だと思うので、今回はそこを説明しようと思う。
まず現在、世界でまともなプロ野球組織を持つ国は米国、日本、韓国、台湾程度しかない。
ドミニカやキューバはMLB(メジャーリーグベースボール=アメリカプロ野球)へ多くの選手を送り込んでいるが、自国にプロ野球組織はない。
比較的野球人気のある中南米でもノンプロの形式を脱していない(野球の他に職業を持っている)
だから世界のプロ野球選手と言っても前記の四ヶ国だけが真のプロと言えるチームであり、他の強豪と呼ばれる国々はMLBの選手を国別に分け集めて出場させているだけと言っても良い。
そしてそもそも、MLBの選手ユニオンが資金集めのために「世界規模のベースボール大会」を構想して、形になったのがWBCなのである。野球の素晴らしさを世界に云々などの発想ではないのだ。
だからMLB側はそのために盛り上げる事に労を厭わないし、米国チームとして一線級の選手を可能な限りは揃えてくる。
しかし実際は米国側の台所事情も苦しく、前大会後、MLBシーズン開幕後にWBC出場の投手を中心とした選手のコンディションがあがらず、選手側から苦情が寄せられ、今回もその点をしっかり納得出来る選手のみを頼むようにして出場せざるを得なかったのである。
MLB選手にとってはあくまで自己の職場はMLBのグラウンドであり、WBCはオプションで、ある種の持ち回り興業の意味合いが強いので、余興的なWBC出場でケガなどは絶対にしたくないのだ。
日本では優勝を狙う中日ドラゴンズが
WBCに選出されながらも選手が辞退した事を記憶している人もいるのではないか。野村克也楽天監督もTVのインタビューで
「これ、言っていいのかわからんけど、そんなにオリンピックやWBCって重要かね」と語っていたが、そのあたりを冷静に見ている日本人もいる。
WBCスタートの経緯や背景説明は元プロ野球選手の江本 孟紀さんのレポートを読んで欲しい
そして実は世界にはれっきとしたIBAF(国際野球連盟:スイス)が存在しており、WBCも正式にIBAF組織下の大会である。そしてIBAF主催のメイン大会『IBAFワールドカップ』も存在していて、今年2009年はその開催年だが恐らくこれを知っている人はごくわずかだろう。
それはMLBが『野球の宗家はウチだ』とばかりにIBAFを認めておらず、日本もそれに追従するためにIBAFワールドカップへは両国ともアマチュア選手しか送り込まない。そのため事実上の『世界アマチュア野球選手権』に成り下がっている。
全世界規模の野球の扱いはオリンピックではわかりやすく。すでに次回のロンドンでは野球およびソフトボール競技はない。日本の盛り上がりに対していかに世界ではスタンダートな競技ではないと、窺い知れる事実と思う。
夢を壊すようだが、IOC(国際オリンピック委員会)的には、野球とソフトをふたたび公式種目にする可能性は極めて低いと聞く。
バスケットボールや、アメリカンフットボール、アイスホッケーも同様で北米がその発祥の地であり、北米追従が長い日本が無条件で米国文化の一部として導入し、それをあたかも『世界標準スポーツ』と錯覚しているためである。日本はいかにアメリカを通して世界を見てきたかをここでも気付く。
二回まで開催されたWBCを、興行的に成功させるためにはドミニカやキューバ、米国が決勝まで進むのではなく、韓国や日本が残らなくてはならない。
それは、会場への来場者(チケット購入)旅行代理店、グッズ販売等の重要な収益はほとんど日本人と韓国人が出しているようなものなので、その意味では今回の興業は大成功。MLB選手もコンディションを損ねないうちに引き上げられて好都合であったと聞く。
観客席が埋まるカードはかならず日本か韓国が絡んでいた。
その他の試合は極端に観客が少ない。
その意味では「もう出ないぞこのやろう!」とWBC主催者側を日本が脅かせば、とかく問題にされる開催時期に関しても(プロ野球開幕直前に開催されている)米国側は100%のむはずなのである。
ではその開催地アメリカではどうだったか?
実はWBC開催の時期は米国大学バスケットボールファイナルのシーズンで、TVなどでも皆そちらへ向いてしまっていた。WBCはその結果さえ誰も知らないし、TVを見ている人は在米の韓国、日本人ばかりである。もし、アメリカ在住の知人がいるなら確認してみると愕然とすると思う。
話は変わって現在私の住む近所の不良外人(フランス人、スコットランド人、ペルー人)と話をすると野球はケチョンケチョンに言われる。
ただし彼らの論には理に適っている部分もある。例えば
・サッカーならボールかボールの代わりになるものさえあれば独りでも遊べる
・陸上競技もその意味で上記に準ずる
・野球は小さな球と棒が必要で人数と場所も必要!近所ですぐに出来るものじゃない。(場所はあっても欧州では20人も子供が集まる機会がある町は限られる)
たしかにどこでも手軽に始められるという点ではサッカーにはとうてい勝てない。
日本でも子供達が自然に、というより必ず父親がキャッチボールをするためにグローブやボールを一家に備えていたはずだ。啓蒙者が周囲に居ての野球だ。
米国統治を経験している日本と韓国、そしてその日本の統治を経験している台湾のみにプロ野球組織があってWBCを盛り上げていることは歴史上のごく自然な成り立ちとも思う。
北京、WBCの野球やソフトが世界規模としてはメジャーではないにもかかわらず、日本でこれほど国として威信を賭けることに、自分は現在まで、敗戦国としての劣等感が引き続いているような印象さえ受けている。
その証拠に、決勝の対戦国がオランダや、台湾だったらこれほど盛り上がったろうか。
宗家米国を倒し、歴史的な経緯と、勝ち進む中での因縁(何度も戦うおかしな仕組みと思ってますが)強い韓国と戦ったからこその感があります。
私としてはWBCだ、世界云々の相対価値よりも米国の『ベースボール』とは別に独自な形で育まれ、日本人のスポーツマインドの基礎をなし、今や歴史ある大きな文化と思える日本の野球を、プロ野球そのものを絶対的に愛し注目して行くことで充分のように思える。
WBCでの興奮をきっかけにファンをプロ野球に誘導したいNPB(日本野球機構)の思惑と米国のそれではまるで反対である事をご理解戴きたいと思う。
http://yaplog.jp/ryoyo18/archive/380