さてさて…
いよいよFeeetも秋物の入荷で、店内も秋モードに移行中
今秋はどんなアイテムがカッコイイか自分なりに考えたんですが、やっぱりデニムは外せませんね
定番所では、レザーやミリタリーなんかもお客様からの声もよく耳にしますね
どんなアイテムかと言うと
詳しくは、まだ内緒ッス(笑)前回買付けで、オーナーと、あーでもない
乞うご期待ッス
ではでは、本日も前回に続き、501の歴史
それでは、授業開始ッス
50年代初期〜中期
もっとも完成度(シルエット、ディテール、色合い)が高いとされ、各方面から注目され、レプリカブランドの見本であり目標のこの501XX、特に評価されるのは色合い、濃いブルーだそうです。
では、それ以前それ以降の501と何が違うのか?いう疑問が出てきます。実は、ちょうどこの頃生地を仕入れていたコーンミルズ社で経糸を染める染め方が変わったという事実があります。
じゃ、それ以降の501も同じじゃないの?ということになりますよね。で、生地の染め方や織り方が書かれた本をいろいろ調べると、織り方や織り機の変更があったという記録がなかったので、先程話した染め方の変更の話しになりますが、40年代後半から50年代初め頃にカセ染めからロープ染めを導入し始めた、とあります。カセ染めは、束にした糸をインディゴの入った容器に浸して絞るといった作業を繰り返して染めていく方法で、もう一方は、糸を機械で巻き取る際、インディゴの入った容器の中を通すという作業を繰り返して染めていく方法、とあります。前者と後者ではあきらかに後者の方が、作業効率が良く、より染め色が均一化されると推測できます。作業効率が上がれば染める回数も増やせるので濃いブルーのデニムは完成します。
ここまでの話しでこの年代のものとそれ以前の違いは出ましたが、それ以降の違いが見えませんね。このあと、この年代以降の話しを進めていくとパッチの変更や隠しリベットの廃止などいろいろと変化していくので違いが見えますが、47年以降60年代中期まで続く501XXの中でも、この年代のものがもっともヴィンテージジーンズとして評価が高いのか?と、また振り出しに戻ります・・・。ということで、今度は、ヴィンテージジーンズの魅力や価値という方面で見てみます。
価値、やはりヴィンテージ年代物と言う意味では年代が古いもののほうが価値は上がり価格は高くなります。勿論、状態にもよるので、ほぼ同じ状態のものなら年代が古いほうが価格は上がります。ですが、価格の相場をどこかで定めているわけではないので、個々のショップでの価格設定なのでこまめに足を運んで探せば思わぬ掘り出し物に出会えるかも知れませんね。
そして、ヴィンテージジーンズの魅力、やはり味わいというのか風合いというか、当時の技術のなさが作り出すデニムの表面に見せるムラ感や穿き込むにつれブルーの生地の上に走る白い縦の筋・・よく言われる縦落ちですね。ムラ感や縦落ちは当時の織り機や紡績技術が作り出す味わいですね。織り機も現在のように糸にかけるテンションをコンピュターで均一化されてないうえ、当時の紡績技術のレベルで作られた糸は均一ではなく細い部分と太い部分があり、それをインディゴで染め織り機で織り上げると当然平らな生地にはならず、大げさに言うと凸凹とした生地で、インディゴで染められた経糸の太い部分が先に擦れて白くなる。これが長く続くと縦に白く筋が走ったように見える縦落ちとなる。なんとなく見えてきましたね。その後は、技術レベルが上がっていき生地が均一になるにつれ、これまで見せていた古い物としての風合いみたいなものが消えていくので、この頃のものがヴィンテージジーンズとしての評価の高さなのかもしれませんね。
そして、1950年代初期から、ささやかな変化が見られます。バック中央のベルトループが、これまでセンターシームの厚く縫い合わされた部分に重ねて付けられていたのが、厚い部分を避けて左側にずらされて付けられています。「ループずれ」といわれるものです。
1954年
501ZXX、501に初のジッパーバージョン登場です。その後60年代にシュリンク・トゥ・フィット(洗うとフィットする。洗うと縮む)の501XXジッパーモデルはプリシュランク(防縮加工済み。洗ってもほぼ縮まない。サンフォライズとも言う)の502XXへと以降。赤タブにも変更あり。これまで、片面にのみLEVI’Sと刺繍されていた文字が両面になる。片面のものを「片タブ」、両面のものを「両タブ」と表現されています。
1955年
パッチの素材がレザーパッチ(本革の革パッチ)からペーパーパッチ(紙パッチ)に変更します。
60年代初期〜中期
60年代初期には、47年以降パッチに表示されていた「Every Garment Guaranteed」という文字が消えます。通称「ギャラなし」と呼ばれます。
501XX最終モデル〜501E
1966年これまでパッチに表示されていた501XXのXXが消え501となり(生地を表すXXですが、生地の変更でXXが消えるのではありません。XX生地はその後も継続)、71年頃赤タブに刺繍されていたLEVI’Sの文字がLevi’sとなります。1966年501XXのXXモデルが終わり、大文字のEを表す501EのEモデル(ビッグイーモデル)に入ります。Eモデルの話しに入る前に501XX最終モデルも説明しなきゃなりませんね。
XX最終モデルは、これまでバックポケットの補強に付けられていたリベットが外されバータックと呼ばれる縫い補強が施されます。生地もこの頃になると、ややフラットな感じがし、色もやや薄くなります。ループずれもセンターにもどされ、これまでリベットの受けが銅製だったものがシルバーのニッケル合金製になります。このXX最終モデルは1〜2年の短い期間の生産でEモデルへと変わるのですが、パッチがなければ66年前後のものはXX最終モデルかEモデルか見分けが付かないとのことです。(色々と判別方法はあるのですが、どれも確実なものではなく、ここでは控えます)
そして、Eモデル、XX最終モデルから仕様が変わるのはパッチのみ。この頃、リーバイスでは世界に向け販売していたためかなりの生産量だったそうです。当然、当時の技術で大量生産をしていくと商品が不揃いになり、クレームが出てきたそうです。そこで、リーバイスでは品質管理部を設け、出来上がった品に「A」「S」「F」などの品質表示をパッチの501の上に小さく付けて商品管理を始めたと一説ではあります。これらの品質表示の付いたものをタイプものなどと言い、Aならば501Aタイプなどと呼ばれるものです。60年代後期のEモデルには品質表示が付き、ステッチの色や縫い方が変わってくるので、ヴィンテージジーンズに精通している人が見ればパッチがなくてもEモデルと判断できるとのことです。なんかややこしい年代に入ってきましたね。
ちなみに、タイプものですが品質管理上できたものとされていますが、別の一説には生産された工場の地区の頭文字という説もあります。(Aタイプ…アリゾナ、Sタイプ…サンフランシスコ、Fタイプ…フロリダ)
1960年代後期〜1970年代後期
フラッシャーの一番下に「1966」と書かれてあるモデルで、通称66と呼ばれるモデルがこの頃のものです。この頃になるとこれまでの作業ズボンという感覚はなく、よりスタイリッシュに穿けるようやや細身になります。それ以前までのEモデルまでがオールドストレートと言われるややゆったり目の作業に適したシルエットなので、Eモデルまでがヴィンテージジーンズと書かれてある本もあります。
さて、66モデルの話しに戻りますが、この66モデルにも、66E、66eがあり、更に前期と後期があります。ここで話す66で、66Eを含めて話すとややこしくなるので66Eは省き66eを66として話します。もっとも66eを66eとは呼ばず、この後話す前期と後期に分けて66前期、66後期と呼ばれています。先程出てきた前期と後期はどちらも66eであり、明らかな違いがあるのではっきり区別が付くと思います。
前期はバックポケット上部(入り口)の折り返しの縫い目の裏がシングルステッチで縫われていて、後期はチェーンステッチになっています。こういった縫い方の違いで66前期を66シングル、66後期を66チェーンと呼ぶ場合もあります。更に前期と後期では生地も変更されていて、ジーンズの内側に付けられている白い布に洗濯注意表示が書かれてあり、「洗うと(前期は8%、後期は10%)縮むので注意してください。」と言った内容の事が書かれています。勿論、英語で書かれていますが、8%10%はそのまま書かれているので問題ないと思います。この、洗濯注意表示が付くことによりパッチにも変化があります。パッチにスタンプさえた501の上に「CARE INSTRUCTION INSIDE GARMENT(ジーンズの内側に洗濯注意表示があるので見てください)」とスタンプされています。といった感じで前期と後期の違いははっきり区別付くと思います。
ここから66の総まとめ(先程省いた66Eも含めて)に入りますが、現在手に取って見られるものの殆どは着古された古着です。古着でも66前期と後期は区別付きますが、66モデルの後に出てくる赤耳モデルと66後期の区別が付きません。そこで、トップボタンの裏に刻印されている文字である程度判断付きます。このトップボタン裏の刻印はいつ頃から付いたか、なぜ刻印されているかははっきりとした答えは分からないらしいのですが、66モデルの頃は6という数字が刻印されていることが多いので刻印6=66モデルという人もいますが、6の刻印が使われていたのがEモデルの後半頃から66後期の後半頃じゃないかと言われています。これは数多くのヴィンテージ501を研究した人の話しで、それでも実際のところは分からないそうです。そう考えるとEと66Eが重なり、66後期と赤耳が重なることになります。
こういった違いのはっきりしないものが、古着店ではどういうふうに売られているか覗いて来ました。Eと66Eはトップボタン裏に6の刻印がされているものが66Eとして売られていて、価格的な開きは殆ど見られませんでした。そして、66後期と赤耳はというと、全て赤耳として売られていたり、区別して売られていましたが、同様に価格の開きは見られませんでした。
こういったあやふやな部分もヴィンテージジーンズの魅力として自分なりに探索するのもいいかもしれませんね。
さてさていかがでしたか??
ここまでがヴィンテージジーンズ特集「Levis編」です
ここでちょっと私の思い出話を
私が初めて購入したヴィンテージジーンズはLevis66e(前期)でした。今から約8年位前の高校3年生で、お年玉とバイト代(新聞配達)で貯めに貯めたお金6万円を注ぎ込み、念願の初ヴィンテージジーンズでした
現在もよく穿いていますが、今も変わらず私の相棒です
それだけに、顔(色落ちやコンディション)や性格(シルエット)にはこだわって相棒を探すのですが、出会ったときはもう値段を見ずに大人買いの心意気ッスね
これぞ相棒っていうジーンズ
では、次回の講座も御期待下さいね〜
なんにしよ……