宿敵相手だ　永井つぶやく「借り返す」

　左脚の故障を押して出場したＦＷ永井は存在感をかき消された。メキシコの守備ラインが思いのほか低く、スピードを発揮する場所もタイミングも見いだせなかった。持ち前の驚速は鳴りを潜め、永井は「自分たちらしさを出せなかった」とうつむいた。

　準々決勝のエジプト戦で左大腿（だいたい）部に負った打撲の影響で左膝が曲がらず、「試合前日までは全然ダメだった」という。懸命の治療で試合当日午前に先発ゴーサインが出たものの、動きは鈍いまま。逆転されると、好機をつくれぬふがいなさは焦りとして倍加して、「イライラしながらやっていた」。生命線だった前線からの圧力はあっけなくいなされ、勝機を見つけるのは難しかった。

　試合直後は「もう１回、士気を上げて３位決定戦に臨みたい」と語っていた永井。対戦相手が０８年のアジアユースで敗れた韓国に決まると、自身のツイッター上で、「四年前の屈辱をはらすときが来ました！　これは神様のイタズラかな？？　かりをかえすためにやってきたし、また、チーム一丸となってメダルを取りたいと思う！　韓国だけには負けたくない！」と、因縁の日韓戦に向けて決意表明した。