ホームアンドアウェー方式の第2戦を行い、名古屋グランパスは名古屋市瑞穂陸上競技場で清水に3−4で競り負けた。1勝1敗で2試合合計で4−4となったが、アウェーゴール数で下回り、準々決勝敗退が決まった。このほか2連覇を狙う鹿島、柏、FC東京が4強入りを決めた。ホームアンドアウェーの準決勝は9月5日と10月13日に清水−FC東京、柏−鹿島で行われる。
◆清水4−3名古屋
99%手中に収めたはずの4強への切符が、残り5分で相手に渡った。タイムアップの笛に選手たちは天を仰ぐ。ストイコビッチ監督は怒りを押し殺すように語った。「クレージーな試合だ。高校やアマチュアならわかるが、プロとしては受け入れがたい。いったい何点取ればいいというんだ。これなら私がプレーした方が良かった」
アウェーでの初戦を1−0で制し、引き分けでも準決勝進出が決まる状況。本来なら後半42分にMF藤本のゴールで3−2とリードした時点で「勝負あり」だ。MF小川も「勝ったと思ったのかもしれない」と語る。ちょっとした油断は大事故を生む。直後に同点に追いつかれ、ロスタイム3分過ぎにはディフェンスの足が止まった瞬間にクロスを放り込まれ、こぼれ球を押し込まれた。
FWで先発して公式戦3戦連発となるゴールを挙げ、最後はDFとして守りを固めていた闘莉王は「わからない。コミュニケーション不足なのか」と嘆いた。最後にGK楢崎がコーナーキックで決死のヘディングシュートを狙ったものの、もはや後の祭りだった。
Jリーグと天皇杯を制しているグランパスにとって、未踏の「ナビスコカップ」は是が非でもほしいタイトルだった。あまりにも無残な終戦。楢崎は「このダメージはでかいけど、前向きにやらないと自分たちの首を絞める」と声を絞り出した。救いは11日に再び清水とJリーグの試合で相まみえること。せめてJのタイトルへ加速するため、敵地でのリベンジは譲れない。 (木村尚公)
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