7月の朝雲ニュース

7/29日付

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偵察は引き受けた UAV初飛行訓練 日出生台

 初飛行訓練で着陸アプローチを行う陸自の最新装備「無人偵察機システム」と、見守る西方無人偵察機隊の隊員(7月9日、大分・日出生台演習場で)

 西部方面情報隊無人偵察機隊(飯塚)は7月9日、大分・日出生台演習場で最新装備「無人偵察機システム」の初飛行訓練を行った。
  同システムはヘリ型小型無人機(UAV)で遠隔地の敵の動向を偵察するUAV飛行管制システムで、今年3月に飯塚駐屯地に新編された西方無偵隊の主力装備。部隊ではこれまでシステム慣熟や飛行のための準備訓練を続けていた。
  部隊は車載化された統制、追随、発射、機体運搬各装置と作業車などを日出生台演習場に持ち込み、9日、初のフライト訓練を実施。薄曇り、風速2メートルの好条件下、機体は安定した飛行を続け、上空30メートルから着陸地点へのアプローチ訓練を繰り返し、約20分間の飛行を終えた。
  西方無偵隊では9月の手動着陸訓練を経て12月には監視・偵察・帰投の一連の行動を伴うプログラム飛行訓練を行う予定。
  「無人偵察機システム」は技術研究本部と富士重工業が開発した砲迫射撃観測用の「遠隔操縦観測システム(FFOS)」を基に飛行時間延伸などで偵察能力を強化したもので、UAVをプログラム通りに自律飛行させて指定地域を偵察、発見した不審車両や船舶などを追尾し、撮影した映像をリアルタイムで司令部等に伝送することができる。
  また、人の近づけないNBCR(核・生物・化学・放射能)災害の被災地偵察や、噴火の恐れのある火山観測などにも活用できる。
  陸自では現在、西方と中方に配備されている。