統合失調症の遺伝子を確認 滋賀県立成人病センター研
滋賀県立成人病センター研究所(守山市)は8日、統合失調症の発症原因になっている可能性が高い遺伝子を確認した、と発表した。同研究所は「関与が確実な数少ない遺伝子になり、統合失調症の個別療法の開発につながる」としている。
同研究所の谷垣健二専門研究員らのグループが、奈良県立医科大の岸本年史教授らと共同研究した。
3~4人に1人が統合失調症になる染色体異常「22q11・2欠損症候群」の患者を調べた結果、脳の電気的活動のバランスを維持する神経細胞の機能異常を確認した。その上で実施したマウス実験で、染色体異常によって神経細胞内で失われていた遺伝子「カテコール-0-メチルトランスフェラーゼ」を導入したところ、16匹のマウスの大半で治療効果を認めた。
統合失調症は、原因の80%以上を遺伝的要素が占めるが、遺伝性が複雑なため、原因の染色体異常が分かっている患者は数%にとどまっているという。
【 2012年08月08日 23時00分 】