ブログを作る※無料・簡単アフィリ     ブログトップ | 楽天市場
028220 ランダム
死に損ないのヒットラーの来日パ… (そのほか)楽天ブログ 【ケータイで見る】 【ログイン】
天から降って沸いたエッセイ
ホーム 日記 プロフィール オークション 掲示板 ブックマーク お買い物一覧

PR

楽天プロフィール

設定されていません

カレンダー

ブログリンク

>>お気に入りブログに追加
ブログが更新されると
メールでお知らせします

お気に入りブログ

まだ登録されていません

モバイル

m ケータイに
このブログの
URLを送信!

キーワードサーチ

▼キーワード検索

 

neomarsの日記

<< 前へ次へ >>一覧

2009年05月17日
楽天プロフィール Add to Google XML

 死に損ないのヒットラーの来日パート1

[ 会社の仕事 ]
当社のドイツ本社から現代版ヒットラーのようなCOOが来日するということで、当社は現在てんてこ舞いの状態にある。もしも粗相があって彼の機嫌を損ねるようなことがあれば、出世を阻まれるどころか、首を挿げ替えられることになりかねないことので、みんな細心の注意を払って大急ぎで準備を進めている。「Dr.●●(COOの名前)が日本で気持ちよく滞在することができるように・・・」という当社のAP本部に努めるぶりっ子のイギリス人が始めた掛け声の下に、内心では「自分が当社で(ガス中毒に陥ることなく)気持ちよく勤務できるように・・」と思いながら兎に角体裁だけでも整えられるように死に物狂いだ。

もう直ぐ会社を辞める、というか本当は先週の木曜日に会社を退職するはずになっていた私にとって、この突然の来日通達は全くもってよい迷惑だ。実務を行うことがなかった名ばかりの元マーケティング・マネージャーIさんは、退職2ヶ月前から既に注意力散漫かつやる気ゼロで、11時出社の4時、若しくは目的不明の「経済産業省への訪問」の名の下に2時や3時に帰宅していたのに、彼が去った後のマーケティングのマネジメントと実務の両方を背負わされている私は、彼のような悠長な最後の2ヶ月間など夢の夢だ。しかも、Nの父親が亡くなった今では退職さえもままならない状態で、今決行しようものなら「人でなし」のレッテルを貼られ、会社を挙げて一生恨みの対象にされかねない雰囲気にある。

5月14日が最終日の予定だったというのに、それが5月末になり、今ではヒットラー来日が終る6月19日まで延期させられかねない。妥協して決めた5月末を押し通せばよいのだろうが、Nの父親が亡くなり、彼女が5月末まで弔休を取るという非常事態が生じている現在、数週間でおさらばする会社といえども、そう簡単にばっさり切り落とすことができない。また、APのイギリス人上司やその他のドイツの同僚とは欧州に行ってからも長い付き合いになりそうなので、失礼な辞めかたをすると自分の損になるという打算も働いている。ま、この打算こそが今回の退社にまつわる私の側の優柔不断の原因だと言えるかもしれない。

この会社を去った後にはもう会うこともないNのことはそう案じていない。向こうはどう思っているのか良く知らないが、私個人としては、これでさよならを予定している。この2年とちょっと一緒に仕事をしたわけだが、私と彼女の相性はよくない。これを端的に表しているのが、言い争ったりするというわけではないが、二人きりでランチをしたり出かけたりする気がしないというものだ。Nは上司として私を尊敬してくれており、色々学ぶことが多いと思っているようだが、その分だけ気を使うのだろう。また、彼女が入社して一年ほどは厳しく指導したということもあって、私に対する恐れがあるのかもしれない。だから、色々話をするけれど、どこまでが彼女の本音なのかいまいち分からない。こうなると、もうプライベートでお付き合いするのが難しくなる。まあ、全ての部下と仲良くする必要はないので、彼女のとの関係は会社のみのものだと割り切っているのであるが。

私の本心はどうであれ、会社の側に話しを移すと、「5月末で辞めます」ということを伝えても、社長もHR部長もAPの上司も誰一人として承諾の意を表さないのだ。彼らが快諾しない理由は二つあると思われる。一つは後任人事が決まっていないということと、去年の彼の来日中に実施した「社員との対談」の段取りを一番分かっているのは私であるために、何も知らない新マネージャーに全てを託してリスクを犯すよりも、知っている人にお任せして万事首尾良く取り計らいたいという思いがあるのだと思う。

後任人事であるが、まだ決まっていないというのは私の責任ではなくて、正に会社側のミスである。本来であれば退職2ヶ月前に退職の意を表明すればよいという規定があるにもかかわらず、協力的な私は、30日もの有給を消化することになるため、早めに退職の意を伝えて後任人事を選ぶゆとりを与えてるようにした。それにもかかわらず、CEOとしての器が備わっていない新社長は、「正式の辞任表明がなかったからいまいち本格的に後任人事を探すことができなかった」とかいう言い訳とも非難ともとれる言葉を発し、自分の決断力や優先事項を決める能力の低さは棚に上げておいて、この不手際を私の失敗として扱う始末だ。

今回の来日が万端に整うように計らうことに関しては、正に至難の業だ。ドイツのバベルの塔から眺めるのと、コーポレートの末端でしかも極東の端から見るのとでは、全てにおいて「見え方」が違ってくるらしく、従って双方の間で万事において認識のズレがあることが明確だ。

今回は「社員との対話」に併せて「記者会見」もすると言ってきた。前者に関してはまだしも、後者に関しては、本社COOが伝えるべきニュースもなければ、たとえ若干でもメディアの気を引きそうなものがあったとしても、メディア・リレーションズが構築されていない日本社会において、彼の話を聞きにこようなどという暇人は東京広しと言えども皆無に近いだろう。しかしながら、このような本音を伝えることは当社における自殺行為そのものであり、何を持っても彼が望むように全て段取りしなければならない。

バベルの塔頂から眺めてみると、全ての世界市民は彼に会って話を聞きたくてうずうずしているように見えるにちがいない。そして、世界的に名が知れているはずの当社の業務に対して興味が沸かないはずがなく、従ってCOOたる自分が極東の外れの東京までやってきてわざわざニュースを発するのだから、それに対してメディアが感激の涙で咽び泣きつつありがたくニュースを拝聴するならともなく、誰も関心を持たないなどということはありえないと考えているのだろう。





最終更新日  2009年05月18日 07時01分59秒



<< 前へ次へ >>一覧一番上に戻る

Powered By 楽天ブログは国内最大級の無料ブログサービスです。楽天・Infoseekと連動した豊富なコンテンツや簡単アフィリエイト機能、フォトアルバムも使えます。デザインも豊富・簡単カスタマイズが可能!

Copyright (c) 1997-2012 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.