嘉田知事、新駅発言を陳謝 地元に説明へ
滋賀県の嘉田由紀子知事と県内市町長による自治創造会議が7日、草津市役所で開かれ、嘉田知事がリニア中央新幹線が整備された場合、東海道新幹線の新駅が必要と発言したことに対し、栗東市をはじめとする各市長から批判が相次いだ。嘉田知事は陳謝し、栗東市の地元住民に説明する意向を示した。
野村昌弘栗東市長は市の新幹線新駅の中止にふれ、「県の方針転換で苦渋の選択をした市にとって配慮に欠ける発言だ」と批判し、真意を問いただした。地元住民らから問い合わせが寄せられているとして、予定地跡地のまちづくり(後継プラン)への影響も懸念を示し、「発言したことには正面から向き合ってほしい」と強調した。
当時、甲西町長で駅設置促進協議会のメンバーだった谷畑英吾湖南市長は「知事は民意だからやめたいと言っていたが、民意は置き去りになっているのではないか」と指摘。座長を務めた橋川渉草津市長は「問題は大きく、深い溝ができたかと思う。溝を埋める最大限の努力を」と県に求めた。
嘉田知事は「大きな影響を与え、申し訳ないと思っている。後継プランは全力で進める。地元にうかがい、栗東市長の足を引っ張らないよう説明したい」と述べた。
これに先立ち、嘉田知事は大津市の県庁で記者会見し、リニア中央新幹線開業を前提とした東海道新幹線の新駅設置について「避けがたい議論。タブーとして逃げるわけにはいかない」とし、県が本年度中に策定する滋賀交通ビジョンに新駅設置の方向性を示す考えを明らかにした。
また栗東市での新幹線新駅事業を中止に追い込んだ経緯については、「高コスト体質の公共事業は凍結と言った趣旨が変わっているわけではない」とし、矛盾しないとの認識を示した。
【 2012年08月07日 22時30分 】