兵庫県尼崎市にあったクボタの工場周辺で暮らし、中皮腫で死亡した住民の遺族が損害賠償を求めていた裁判で、神戸地裁はクボタにおよそ3200万円の支払いを命じました。
この裁判は、クボタの工場周辺で暮らし中皮腫で死亡した男性ら2人の遺族が、「クボタと国はアスベストの健康被害対策を怠っていた」として損害賠償を求めていたものです。クボタは周辺住民の死亡とアスベストとの因果関係は否定する一方、自主的に救済金を支払っていますが原告らは受け取りを拒否し2007年に提訴していました。判決で神戸地裁は、「工場からのアスベストによって周辺住民が死亡した」と指摘、クボタにおよそ3200万円の支払いを命じました。国への請求は棄却しました。アスベストの健康被害をめぐり周辺住民に対する企業の責任を認める判決は全国で初めてです。
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