◆巨人1−1阪神
互いに好機を生かし切れず引き分けた。巨人は6回1死二、三塁で高橋由の二ゴロの間に1点を先制したが、9回は盗塁死などでサヨナラ機を逃した。阪神は8回に代打・桧山の中前打で同点としたが、前半の拙攻が響いた。
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物足りない。首位を走る巨人が、衰弱状態の虎を相手に延長でドロー。「1点で勝つというのは非常に難しいですね。相手が上回ったということでしょう」。黒星はついていないものの、試合後の原監督はストレスをため込んでいた。
唯一の得点は高橋由の内野ゴロで奪ったもの。7回無死二塁、9回無死一塁の好機を逃したことが、直接的には響いた。しかし、指揮官の不満の源は先発の沢村にある。「しっかり力投したじゃない」。内容についての評価は避け、短いコメントに皮肉を込めた。
立ち上がりから制球に苦しみ、自己最多の6四球。6イニングで129球。無失点で踏ん張ったとはいえ、このリズムの悪さが攻撃にも影響した。「ひと言、ふた言、言いたいことはあるけども、グッと我慢しましょう。ツバを飲み込み、言葉を飲み込んだよ」と原監督。なかなか成長しない右腕に対するもどかしさがにじみ出た。
杉内、内海を中心とした先発陣は十分に強固。しかし、首脳陣は台所事情に余裕を感じるわけではない。ゴンザレスが右足を痛めて離脱し、8日はプロ未勝利の2年目、小山が先発。2本柱に続く男が出てこないと、救援陣の負担は増すばかりというわけだ。
その状況は沢村も認識しているだけに、「カウントを悪くして、四球も多い。反省すべきところが多い登板だった」と唇をかんだ。守道竜とは4差。周囲が思うほどチーム内に安泰ムードはない。 (井上学)
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