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4月の講座 さて、中国武術とは何でしょうか? vol.1   
日本では中国武術を カンフー・功夫・武術・拳法・うーしゅう・武術太極拳・・・
・・・と、さまざまに呼ばれています。

まっ、とりあえず、呼び方は何でもいいでしょう。
アメリカなどでは中国武術と忍術は同じようにあつかわれているぐらいですから・・・

もちろん中国本国では単に「武術・ウーシュウ」と呼ばれています。
中国武術とは中国に伝わる格闘技のことで、世界中の格闘技の元になったとさえいわれています。
その中国武術もインドから伝わったとされる説があるので中国起源説も定かではありません。

ひとくちに「武術」といっても一般的に知られている「太極拳」「酔拳」「形意拳」「八極拳」・・・
そして「囮拳」「大悲拳」「南極門白猿通備拳」などちょっと変わった名前の武術まで、その種類は
なんと何百種類もあります。

ちなみに、中国の国内では「長拳」「太極拳」「南拳」の三つがポピュラーな武術とされ、中国の全国
大会でも競技の中心になる種目となっています。

画像、上から
「長拳・側端腿」
「南拳・猛虎出洞」
「太極拳・白鶴亮翅」


では、中国武術の分類を考えてみましょう     「中国の地図・北派と南派」

中国の国内でも武術の分類にはいくつもの種類があります。

■「北派・南派拳術」
中国のほぼ中央を流れる長江(揚子江)を境に分けて「北派拳術」「南派拳術」という分け方をします。

ちなみに、中国での交通手段を表す言葉に「南船北馬」と言うものがあります、北では馬がよく使われ、
南では川が多いため船による移動が多かったということです。

また、南北の武術を表す言葉に「南拳北腿」と言う言葉があります、南では拳を沢山使い北では足技が
沢山あると言うことです。

「北派」
北派の武術には太極拳・長拳・少林拳・通背拳・形意拳・八極拳などがあります
北の特徴としては伸びやかな力の出し方、足技が比較的多い、二起脚や旋風脚などの跳躍技があることなどです。

中国の北方は草原が広がり土地が広く、武術の練習をするときも土地を広く使って練習したため、伸びやかな
武術が多いと説明されることがあります。

「南派」
南派には洪家拳、蔡李佛拳、太祖拳、虎鶴双形拳、詠春拳、黒虎拳などがあります。
南派武術の特徴は、足を踏ん張った姿勢から繰り出される剛拳、「虎爪」「龍爪」「嘴鶴手」などの多彩な手形、
動物の形をまねた象形動作、「ウォォ!」「ハーイ」などの発勁時の発声があることです。

中国の南の地域は川が縦横に流れており、交通手段である船の上でも武術の練習をしたため、船が揺れてもびく
ともしない足腰を踏ん張った武術が多いと言われています。

■「内家拳・外家拳」
中国武術の特徴の一つとして力の運用をくわしく分析していることがあげられます。
中国武術では力のことを「勁」と言う言葉で表しています、たとえば力を出すことを「発勁」短く鋭い力を
「寸勁」とよびます。
内家、外家はとてもポピュラーな分類法ですが、どちらかといえば北派の分類法といえるでしょう。
「南拳」を分類する場合、外家的な印象の「南拳」ですが内家拳に分類することもあるようです。

また最近の研究によれば外家と内家に分けることをナンセンスと見る研究者もいるようです。

「内家拳」
勁力を身体の内部(内勁)から発する、気功的な考えを持つものが内家拳です。
代表的なものには太極拳、形意拳、八卦掌、武当拳などがあります。

「外家拳」
勁力の発生を、主に腰の回転や体の伸びなどの筋力でおこなうと考えるのが外家拳です。
外家拳は基本的には少林拳系統をさします、長拳、査拳、華拳などです。

■「宗教の違い」
武術は少林寺に発し、すべての武術の祖は少林寺(仏教)にあり・・・
と言われるように武術と宗教は密接なつながりがあります、その少林拳も「ダルマ」で有名な達磨大師が
インドより少林寺に伝えたとする説もあります・・・伝説のようですが
そのほかにはイスラム教(回教)から生まれた「査拳」、道教から出てきた「武当拳」などがあります。


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