英財務省幹部、トリプルA格付けを最重要視しない考えを表明
[ロンドン 6日 ロイター] 複数の英財務省高官は、リセッション(景気後退)や政府の財政赤字削減の取り組みによりプレッシャーにさらされる恐れのある同国の「トリプルA」格付けについて、最重要視しないとの考えを示した。
このうち、BBCラジオは6日、「信用格付けは究極の目的ではない」というダニー・アレクサンダー財務担当相(自由民主党)の発言を伝えた。同相は「国民の雇用機会を増やし、経済成長を支援し、国家財政の大問題への対処するための適切なポリシーミックス」の重要性を強調した。
また、オズボーン財務相(保守党)は同相のコメントについて感想を聞かれ、「ダニー・アレクサンダー氏と私は完全に意見が一致している。信用格付けは重要だが、適切な経済政策を持つことも重要だ。本当に重要なのはこちらで、格付けはその反映だ」とテレビで語った。
アナリストらは、アレクサンダー財務担当相の発言について、リセッションで税収が落ち込み、政府の財政赤字削減の目標達成が難しくなる中で、将来的にあり得る格下げのインパクトを和らげたいとの政府の意図があるとみている。
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