ここではプリント基板の製造設備・製造工程を工程の順番に沿って工場長が解説。
製造工程を理解してはじめて、正確なプリント基板の設計が可能になります。
みっちり工場長の指導を受けてください。
基板製造の前に、設計・編集・作画作業を行います。(基板のデザインルールを決定、及び回路をレイアウト)そのレイアウトに基づき、穴・パターン・レジスト・シルク・外形用と各工程に必要なフィルムを作画します。
研磨した基板にドライフィルムをラミネートします。
クリーンルーム内にての安全作業
ゴミ・ほこり等が基板に付着しないように充分注意し作業実施。
内層パターンを焼付けします。
内層パターン部以外を剥離します。
コンピュータ画像検査によって良否を判定します。
内層パターンデータとの比較検査。
内層板と外層材をプレス機にて積層します。
ドリル機にて穴あけ加工。
穴あけデータに基づき作業実施。
スルーホール及びパネル全面にめっきを付けます。
内層パターンと同様に形成。
外層パターンを焼付けします。
外層パターン部以外を剥離します。
液状レジストを霧状で塗布する。
シルク文字を印刷します。
文字ズレ・カスレに注意。
耐熱フラックス
鉛フリー半田レベラー、
半田レベラー、金フラッシュなどの
表面処理を行います。
作業サイズから製品サイズに加工します。
Vカット処理など。
フライングチェッカー(試作・小ロット)
専用チェッカー (量作)
キズ、シルクズレなどの検査をおこないます。
梱包・出荷
基板製造は、基材メーカーより銅張積層板を購入しそれを基に製造します。
銅張積層板は2種類有り、1020×1020(定尺板)と1220×1020(長尺板)が有ります。
製造メーカーは、この材料を自社の製造設備に合うよう切断し製造します。
ワークサイズの寸法例を以下に示します。
材料寸法 | 4分割 | 6分割 | 8分割 | 9分割 | 12分割 |
1020×1020 | 510×510 | 510×340 | 510×255 | 340×340 | 340×255 |
1220×1020 | 650×510 | 510×406 | 510×305 | 406×340 | 340×305 |
製造メーカーごとに、設備によりワークサイズが違います。
A社では4枚製作可能でも、B社では2枚しか製造出来ないことが有ります。
製造メーカーにより基板単価に差が出るのは、このことが要因の一番です。
基板設計に於いて、ワークサイズを考慮するのと、もう一つは加工しろを考慮しなければなりません。
一般的な加工しろは、
4層板まではa=10mm b=5mm 6層以上はa=15mm b=5mmです。
すなわち、ワークサイズ510×340の基板では、製品の寸法は6層板の場合
237.5mm×152.5mmが経済寸法です。
それらを考慮し基板サイズを決定すれば、低価格の基板が作成できます。