老化防止物質:青ジソから発見 健康食品への応用に期待

毎日新聞 2012年08月06日 20時05分(最終更新 08月06日 20時17分)

 京都大薬学研究科の久米利明准教授(薬理学)らは6日、がんや老化、メタボリック症候群の原因とされる活性酸素の働きを抑えるDDCという有機物質を、青ジソから発見したと発表した。健康食品への応用が期待できるという。米科学誌に15日掲載される。

 酸素の一部は活性酸素となって細胞を傷つけ、老化を促進する。通常は体内のビタミンやポリフェノールが活性酸素を中和するが、喫煙や大気汚染、ストレスなどでバランスが崩れると、生活習慣病などを引き起こすとされる。

 研究グループは桃やリンゴなど12種類の果物や野菜の成分を抽出し、培養したラットの細胞に加え、酸化を抑える酵素の働きを調べた。その結果、青ジソから抽出したDDCを加えると、酵素の活性化を示す指標が約70倍になった。他の野菜類は数倍程度だった。さらに、化学合成したDDCにも同様の働きがあることを確認した。

 久米准教授は「青ジソ1枚に含まれるDDCはわずか。青ジソそのものを食べるより、化学合成して食品に加えるなどの活用方法が有効だろう」と話している。【榊原雅晴】

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