黒子のバスケ −太陽のColor Creation− (縦横夢人)
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第2Q 始まりの出会い(後半) 


「じゃ、ここに名前と学籍番号ね。あ、出身中学と動機は任意だからどっちでもいーよ」


ここは男子バスケットボール部

ここでも部活勧誘が行われており、また一人入部届けに名前を書き立ち去っていった


(なかなかの素材ね・・・)


と先程去って行った男子をみて、バスケ部の関係者らしき女子がだらしない顔で・・・失礼、よだれを垂らしながら(・・・まぁどっちも変わらなかったが)物欲しそうに見ていた


「っと、今ので10人目か。もーちょい欲しいかなー
てか、勧誘の方どうかなー?がんばって有望そうなの連れて来てよねー」


果たして、その思いは叶った・・・


「来ました~、新入生・・・」

「バスケ部ってここか?」

「わぁっ!?」

(って、連れて・・・来られとるやんけーっ!?)
「あ・・・うん」


・・・勧誘していた部員が新入生に片手で連れて来られていた・・・


部員を連れてきた男子は赤い髪に鋭い目つき、そして190cmはある身長から見下ろすその様は野生の虎のごとき迫力があった


「ま、まぁいいわ。で知ってると思うけどうちはできたばっかの部だけど、上級生は二年だけだから君みたいな体格なら・・・」

「あぁ、そーゆーのいいから紙くれ。「え?」名前書いたら帰る」


そういってその新入生はすらすらと書いていった


(中学はアメリカ!?
なるほど、本場仕込みなのね)


《火神 大我》(かがみ たいが)君・・・か

どっちにしろタダ者じゃなさそーね

《彼》のように・・・


「あれ?、志望動機はなし?」

「あぁ、・・・別にねーよ
どーせ日本のバスケなんてどこも一緒だろ」


そういいながら火神は飲んでいた紙コップをゴミ箱に投げ捨て去って行った

憤りと哀しみが混ざったような顔をしながら・・・


(・・・?)


横にいた男子は恐怖からか机に倒れこんでいたが、さっきの表情に女子生徒は引っかかりを覚えた


「てゆーか首根っこ掴まれて帰ってきた理由が知りたいわ」

「あぁ、それか・・・」


そこで男子生徒はフッと笑い・・・


「いろいろあったんだよ・・・」

「そ、そう」


明後日の方を向いて感傷にひたっていた

と、そこで一枚の紙に気づいた


「一枚入部届け集め忘れてるっスよ」

「え?いけない。えーと・・・《黒子》(くろこ)・・・《テツヤ》・・・?」

(あれ〜?ずっと机番してたのに、全く覚えてない)
「・・・って、帝光バスケ部出身!?」

「ええっ!?あの有名な!?」

「しかも今年一年ってことは《キセキの世代》の!?なんでそんな金の卵の顔忘れたんだろ私!!」


か〜っと頭を抱え悔しがっていた


「しかも、二人目・・・の」

「さっきの奴はアメリカ帰りだし、今年一年ヤバぃ、って二人目!?」

男子生徒は初耳だっ!!
と言うような表情をして聞いてきた


「あぁ、一人目の子はね――――」


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「ったく、少し感傷的になっちまった」


と先程バスケ部から立ち去った火神は吐き捨てるように言った


(けど日本のバスケが弱えーのは確かだろ)


火神が日本に帰ってきた中学三年の時、最後の一年を中学バスケで過ごしていたが、日本で初めてバスケをした時、そのレベルの違いに愕然とした


(フルはまだしも、第1Qももたねーとは)


1VS3で挑んだのに、相手三人の方があまりの点数差に音を上げたのだ


(あいつらが弱いってのもあるが、やる気が全く見えなっかった)


10点差をつけた時点で相手は追いつく気がなく、諦めていた


(高校なら強い奴がいるだろうが、
やっぱり・・・)


とそこでふと肩に重みを感じた。誰か後ろから押してるのかと思ったが、それにしては重い


「おー、高い高い! 遠くまでよく見えるぞー!」


とそこに上から声が聞こえた。まさかと思い上を見ると・・・


「ウェーイ!」


そこには知らない奴が肩に乗っていた


「どわぁっ!? てっ、てめぇいつの間に!?」
「おー、悪い悪い。ちょっと道に迷ってしまって! 大きい奴いたからつい登ってしまった」

「俺は灯台じゃねぇぞっ!? てかいい加減降りろっ!!」

「うぇーいっと」


火神は肩に乗る相手を振り払うように腕を振り回すと、相手は軽く飛び上がり地面に着地した

相手は振り払われたことを気にせず、笑顔で謝っていた

改めて相手を見ると、身長は160cmあるかないかというくらいで、中学生よりむしろ小学生だと言われた方が納得がいく

髪は黄色から先に向けて赤に近いオレンジ色となっており、ツンツンとししているがかたいと言われればそうでもなく、ところどころ先が曲がっている(それでも少しだけ)。さらに後ろの髪を人房にまとめていて、それはまさに犬の尻尾のように見える。そして天辺にはアホ毛が

目は丸く、まさに子供と言える特徴だ


(小っちぇーーーーっ!! 小さすぎだろこいつ!! 小学生じゃねぇのか!? けどここの制服着てるし・・・。てかこいつ考え事してたとはいえ、俺に気づかれず人の肩に乗るとか・・・まてよ、つまりこいつはよじ登らずに、一回のジャンプで俺の上に乗っかった(・・・・・・・・・・・・・・・・・)ってことかっ!?)


そこまで考え火神は相手を見据え、ふと強烈な匂いを感じた

表面上は笑顔でいるガキだが、その奥の奥、表情とは間逆のもの、そうまるで闘争本能むき出しの《ケモノ》のような――――

とそこでハッと意識を戻し、前を見ると相手がこっちの顔を覗き込んでいた


「大丈夫?」

「あ、あぁ」


火神はいつの間にか汗をかいていた自分に気づき、ふぅ、と一息つきながら袖で汗を拭いた

もう一度鼻で嗅ぐが、しかし先程の匂いは無くなっており、相手もそれに気づいていないようだ


「なんだ、お腹でも下したの?自分はちゃんと毎日出してるから大丈夫だぜ」
ムッフー

「ちげーよっ!!」

「うぇーい?」


相手はあははと笑いながら言った。からかった訳ではなさそうだ。つまり・・・


(こいつ、天然か・・・)


火神はどこか疲れたため息を吐いた


「っと、自分はもういかなきゃ。悪かったな」

「ん? あぁ、もういいよ」

「そっか、また会えたらいいな。んじゃな!「あ、追い待て」ん?」


火神はさっきのことが妙に引っかかり、思わず去ろうとした彼を呼び止めた

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「彼はね、中学一年までは帝光中学にいてね。中二の始まり頃に親の都合でアフリカの方に留学して、高校入学を機に日本に戻って来てここ誠凜に入学したらしいの。《キセキの世代》と一緒の年だけど、彼らが活躍する前だから実力は未知数。本人はたいしたことないって言ってたけど」

「そいつの名前は?」

「彼の名前は―――――――


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「お前、名前は?」


「自分か? 自分の名前は――――――





《虹織 太陽》
 (にじしき たいよう)」






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