バナナ:果物消費量、日本一 秘密探る
2012年08月07日
◇黄色へ「加工」プロの技
◇少子化で個別包装主流に 熟し具合で異なる健康効果
8月7日は「バナナの日」。バナナは国内で最も消費量が多い果物だ。業者による長年の輸送加工技術の開発改良によって、日本で売られているバナナの品質は世界一ともいわれる。日本人に愛されてきたおいしいバナナの秘密や歴史を探った。【中西啓介、写真も】
羽田空港にほど近い東京湾大井ふ頭の一角に、国内最大級のバナナ倉庫がある。全長138メートルの輸送船から、パレットに載せられたバナナが次々に倉庫へと運び込まれる。
「船には約20万箱(約2600トン)のバナナが載っています」。「チキータ」ブランドで知られる「ユニフルーティー ジャパン」(東京都江東区)輸入部長の國分良任さん(51)が説明する。フィリピンから輸入されたばかりのバナナは緑色で硬い。「植物防疫法上、青いバナナしか輸入できないのです」
緑のバナナを鮮やかな黄色に色づける「加工」が、プロの腕の見せどころ。均一の色にして、小売店の要望に応じた状態に仕上げるため、長年技術開発が行われてきた。