脱北者:韓国入りが半分に減少

上半期は751人で前年比マイナス45%

北朝鮮による取り締まり強化に中国も同調

 今年上半期中に韓国入りした脱北者の数が、昨年同期の半分程度にまで減少した。2日に統一部(省に相当)が公表した資料によると、今年1月から6月までに韓国入りした脱北者は751人だった。これは昨年同期の1375人に比べ45.4%も少ない。

 韓国入りするる脱北者の数が初めて1000人を超えたのは2001年で、その後この数は毎年のように増加を続けてきた。ただし、05年と10年に前年比減少したことはあるが、その幅は05年が27%、10年は19%で、今年のように半分近くにまで落ち込んだことはない。

 最も大きな原因として考えられるのは、北朝鮮による取り締まりの強化だ。統一部の関係者は「金正日(キム・ジョンイル)総書記が死去した昨年末ごろから、中朝国境周辺では脱北者を監視する施設が増え、またわいろを握らせて国境を越えることも、今までのように通用しなくなった」と語った。

 脱北者支援活動を行う市民団体「北朝鮮人権改善の会」のキム・ヒテ事務局長は「北朝鮮は昨年からドイツ製の電波探知機を使って通話の内容もチェックできるようになり、北朝鮮内部との電話も難しくなった。そのため脱北を仲介するための費用も50%以上高くなった」と述べた。

 昨年までは「食べていくため」ひとまず中国に逃れるケースが多かったが、ここ数年は韓国行きを目指す「生活型脱北者」と、韓国に住む家族や知人の支援を受け、脱北と同時に第3国に向かう「企画型脱北者」の数がほぼ同数になった。しかし、今年韓国入りした脱北者は「生活型脱北者」が80%以上を占めているという。北朝鮮による取締の強化で企画型脱北は難しくなったが、それ以前から中国にいた生活型脱北者たちは、比較的スムーズに韓国入りしているようだ。

 今年に入って中国も不法滞在の取り締まりに力を入れているが、これも韓国入りする脱北者減少の要因とみられる。現在、中国はいわゆる「3非政策」を実施。これは外国人による不法入国、不法滞在、不法就労の取締を強化するというものだ。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
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