ロンドン五輪:メダル数1位、GDP比で計算なら北朝鮮

メダル数ランキングは金銀銅合計数? 金メダル数優先?
IOCはメダル数合計だけ発表

 6日午後11時30分現在、ロンドン五輪国別メダル数1位は中国だ。金メダル数(31)で見ても、メダル数合計(63)で見ても堂々の1位。韓国は金メダル数(10)は4位だが、メダル数合計で見ると8位(21)となる。どちらのランキングの方が正しいのだろうか。

 実は「正解」はない。国際オリンピック委員会(IOC)は国別のメダル数合計を公式発表するだけで、順位は発表していない。オリンピックは純粋なスポーツの祭典ということで、行き過ぎた競争を防ぐ方針だからだ。オリンピック憲章第1章第6条には「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」と書かれている。また、第5章第58条には「IOCとOCOG(オリンピック競技大会組織委員会)は、いかなる国別の世界ランキング表も作成してはならない」ともある。

 IOCは1992年のバルセロナ五輪時からメダル数集計結果を提供し始めた。当時の基準では金メダル順だった。だが、当時も「国別順位は公式には認めていない。情報として提供しているにすぎない」というただし書きを付けていた。

 現在のロンドン五輪公式メダル集計表では金メダルの数が優先されているが、メダル数合計ランキングも検索できるようになっている。ロイター・BBC・NHK・毎日新聞・朝日新聞など大多数の国のメディアはもちろん、ネット上の百科事典「ウィキペディア」も金メダル数優先の集計方式を採用している。ロンドン五輪が行われている英国でも同じだ。ガーディアン、タイムズ、インディペンデント、テレグラフといった有力メディアだけでなく、メトロ、イブニングスタンダードのような地方紙やフリーペーパーも金メダル優先方式の順位を掲載している。

 一方、米国やカナダのメディアはほとんどがメダルの色に関係なく、メダル合計数を基準に順位を出している。カナダはバンクーバー五輪時に公式ホームページに全メダル数合計の集計方式を採用した。

 国の順位や集計方式は、近代オリンピック初期は注目されなかった。しかし、冷戦時代にオリンピックが理念対決の場となり、国の順位に関心が注がれるようになった。そして2008年の北京五輪時にあらためてクローズアップされるようになった。米国と中国が全メダル数1位と金メダル数1位の座を分けたため、集計方式が俎上(そじょう)に載せられた。

 最近ではメダル数を人口数や国内総生産(GDP)で割って順位を付けるという考え方も登場している。人口比方式なら、人口176万人で銅メダル1を取ったカタール(金メダル数基準では56位タイ)が1位となる。GDPに基づく集計方式なら、1人当たりのGDPが1200ドルながら金4・銅1を獲得している北朝鮮(金メダル数基準11位)が1位となる。

全炳根(チョン・ビョングン)記者
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