遅れてきた電子書籍元年の伏兵、楽天の電子書籍サービス「kobo(コボ)」が19日にスタートして約2週間。華々しいデビューの裏でトラブルの報告も相次ぎ、ネット上では不満の声が噴出した。競合他社からは「品ぞろえが乏しい」との指摘も出ている。波乱の幕開けとなった「楽天コボ」をどう評価すればよいのか。三木谷浩史社長のインタビューを交え、検証した。
丸善丸の内本店とビックカメラ有楽町店の店頭に自ら足を伸ばし、翌19日に発売される電子書籍端末の「kobo Touch(コボタッチ)」と、電子書店「koboイーブックストア(コボストア)」をアピールした三木谷社長。その24時間後、目の回るようなトラブル対応に追われているとは思ってもみなかっただろう。
コボタッチの購入者は、パソコンに設定用のソフトをインストールし、端末をつなげてアクティベーション(端末認証)しないと同端末を使うことができない。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)のiPhoneが発売された当初と同じ仕組みだ。この一連の作業がうまくできないユーザーが相次ぎ、混乱と批判が広がってしまった。
楽天によると、19日午後3時のコボストアのオープン前に誤って古いバージョンの設定ソフトを配布してしまい、このソフトに不具合があったことがトラブルの原因となった。うまくアクティベーションできた一部ユーザーも、サーバーの混雑が原因でコンテンツをダウンロードできないなどのトラブルに見舞われた。
ツイッターやフェイスブックには批判が殺到。コボタッチを販売している楽天のサイトの「みんなのレビュー」欄では、5段階で最低の星1つという評価が最多となり、炎上の様相を呈した。楽天はすぐに不具合のない設定用ソフトを配布、混雑したサーバーも対処した。同時に、電話対応する「カスタマーケア」のスタッフを当初の約3倍、100人以上に増強したと見られ、対応時間も24時間体制とした。三木谷社長は混乱をこう振り返る。
■「正直、おわびをしなくてはいけない」
「第一段階で、一部のお客様にご迷惑をおかけしたことは、正直、おわびをしなくてはなりません。コボストアのグランドオープン前に、古いバージョンの設定ソフトを配布してしまうという我々のミスがあった。けれども、うまく乗り切れたかなと。重要なことは、いかに早く解決するかだと思っています」
「アクティベーションに関して、被害を受けたユーザーは2000~3000人くらい。これは、正しいバージョンの設定ソフトで解決しました。『難しい』というご批判に対しては、8月上旬までに、パソコン接続なし、端末から無線LAN経由でアクティベーションができるようにします」
「コンピューターリテラシーが低い方にとって初期設定は、多少難しいところがある。でも、無線LANでアクティベーションができるようになると、今までセットアップに時間がかかってた人が怒り出すんじゃないかと思うくらい早くできるようになる。たったの4画面で終わりますから」
「コンテンツは思ったより、すごい売れてしまったことで、当初、サーバーがオーバーフローしてしまいましたが、これもすぐに対応しました。おおむね48時間以内に初期トラブルは収束しています」
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