高齢者の性犯罪　多発　韓国で衝撃

　【ソウル＝辻渕智之】知的障害者や女児を狙った高齢者の性犯罪が韓国で相次ぎ発覚し、社会に衝撃を与えている。高齢者の性犯罪は自分よりも力や立場が弱い相手に執拗（しつよう）に続く場合が多いとの指摘が出ている。

　地元メディアによると、警察は先月３０日、南部・統営市の農村に住む６０〜７０代の男３人を近所に住む知的障害者の女性（４２）に４年間、性的暴行を続けた疑いで立件した。別の６０〜７０代の男３人も同様の罪で起訴され公判中という。

　女性の夫（５２）も知的障害者で、ともに被害を訴えられなかった。村の人口は約２００人。中央日報は「多くの人が知っていたが、黙っていた」との住民の話を伝えた。

　南部・昌原市では小学校警備員の男（６６）が約５０回、通学する女児９人に小遣いを渡し体を触った疑いで２８日逮捕された。

　朝鮮日報は、６１歳以上の性犯罪加害者が２００８年の７１０人から昨年は１０７０人に急増したと警察統計を報道。中央日報は、性的欲求を維持した高齢者が増えたとし「高齢者の性を考慮した対策も必要」と主張した。