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2012年8月5日22時35分

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いじめを見ている君へ

《いじめを見ている君へ》中西新太郎さん

写真:中西新太郎さん拡大中西新太郎さん

 いじめを見ていて「おかしい」と感じたら、君のその思いをきちんと受け止めてくれる大人を探(さが)してください。現状(げんじょう)では、それしか手がありません。

 残念ながら、すべての大人が信用できるわけじゃありません。たとえば「それはいじめなのか、いじめじゃないのか」と言う人はダメですよね。きっと君の方が、大人を見分ける目をもっていると思います。

 探すのは学校の外でもいい。他の子の親だって、ラジオDJだっていい。言っても解決(かいけつ)しないかもしれないけど、自分の気持ちを晴らすだけでもいいんです。

 いじめを見ている側にいると、「解決のために君が立ち上がるべきだ」と言われることがあるけど、解決するのは大人の責任。君は、信用できる大人に伝えたら、「ちゃんと言った」と胸を張ってください。

 それは君自身のためにもなります。いじめのスイッチは、ささいなことで入りますよね。「自分が好きなアイドルをかわいいと言ってくれなかった」とか、理由はさまざま。君がいつ、いじめられる側になるのかわからない。今後、いじめられる立場になったとき、その信用できる大人は、君の助けになります。

 いじめを見て嫌(いや)な気持ちになることもあるでしょう。君にも「つらい」と言う権利(けんり)はあります。「こんなおかしな場所は嫌だ」と言って学校を休む子もいます。言ってもいいんです。

 いじめを嫌な気持ちで見ている人たちと集まるのもひとつの方法です。いじめから距離(きょり)を置くグループが増えれば、いじめが広がるのを防げます。そういうつながりを作ることで、少しでも居心地(いごこち)が良い環境を作ることができますよ。

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