ワンダーフェスティバル2012[夏]に行ってきました!
WFが終わって1週間が過ぎました。
自分も色々と日常生活のリズムを戻しつつ活動しております。
さて、今回も見どころの多いWFとなりました。
私は、企業さんのアテンドが入ったため撮影の時間を取ることができず非常に悔しいWFになってしまいました。
いつも挨拶させて頂いているのに今回ご挨拶できなかったディーラーさんがたくさんあります。
本当にいつも良くして頂いているのに申し訳ありません。
とは言え、かなり藪から棒だったし、実現性はちょっと低そうな話でしたが、
自分に原型師さんを紹介する様な機会を得られたことはとても喜ばしい出来事でした。
どのようにWFでの出会いが結実するかわかりませんが、何か良いことが起こればいいなぁと思います。
まぁ、そんな特別な事情もあって、今回ある作品とその作品にまつわる環境から
自分の考えや意見を記すことで2012年夏のWFのレポートとしたいと思います。
原型師という“キャリア”をどう育てるかについて
8-20-05、うろこもんさんの「竜の落とし娘」という作品がオリジナルでありながら
そのディティール・バランス感覚・ディフォルメの具合と、どれをとっても素晴らしかったです。
まだエッジの効かせ方や、再現性(今回オリジナルなので)、組む人への配慮など
盛り込める要素は多のかもしれませんが、まずぱっと見て、
これは期待させる作品が来たなと思わせるパワーを感じました。
原型師さんにお伺いしたところ、専門学校の生徒さんということで、
最近の専門学校生は本当にすごいなぁ~と感心する私でした。
知る人ぞ知るという感じでしょうか、最近若手の注目作品は
専門学校生の手によるものが非常に多いんですよね。
オリジナルのイラスト。絵が描けるって羨ましい。絵からもどんな作風にしていきたいのかイメージがしっかり伝わってきます。
これまでずっと独学で覚えていくものだった原型作りのノウハウが、
洗練され、体系化され、組織によって運用されるものになったことを強く実感します。
仮に、即売会のみで原型を販売している人をアマチュア。
メーカーに原型を納めて生計の一部としている人をプロアマ。
メーカーに所属して生計の全てを立てている人をプロ。
とすると・・・もちろん、この考え方は価値観に基づいて本当に人それぞれなのであくまで仮にとさせて頂きますが
(A)アマチュア→プロアマ→プロ
だったこれまでの原型師さんのキャリアプランが
(B)学生≒アマチュア→プロ→プロアマ
へと、徐々に変化している様に思えます。
正確には選択肢が多様化しているという風に感じます。
「プロがアマ化する」という表現は、友達に薦めてもらった
森川嘉一郎 著 「趣都の誕生―萌える都市アキハバラ―」で出会ったのですが、
学習体系やと、完成品PVCとしてメーカーの活動が一定の成熟を期して
原型師という仕事においても見られる様になったのではと思います。
尚、(A)と(B)のプロアマという立ち位置は私の中では大きく内容が異なります。
前者はプロ原型師に品質やノウハウを監修される立場のプロアマ原型師さんです。
後者はメーカーに新しいラインナップやブランド、遊びを相談される立場のプロアマ原型師さんです。
そんな中で、今回自分が相談を持ちかけられたのは(友達伝いの変な縁でしたが)伺ってみると、
「自分たちは幾つかの版権を有しているが、なんとか自社の力でフィギュア化を進めたい」というご要望でした。
それでもう少し聴いてみると、「やりたいけど、具体的には監修も生産も良くわからない」といった感じで
ちょっと現状では心配な状況でした。そういう状況で「まずは原型師さんを紹介して欲しい」ということなので
それはなんとも難しいなと正直なところ思ったわけですが、
「原型が作れて、監修を受けれて、製造工程にも精通している原型師」
が、世の中に求められているのだなぁとニーズを伺う中で感じました。
実際に、そこまでできなくても完成品PVCを造るとなると
そのような一連の工程を経る分けなので知っていて損することは何一つないでしょう。
そして、企画から販売までの工程を学習できるのはやはりメーカーに勤務する他ないということと、
メーカーと専門学校が提携を結び必要な知識経験を体系化し、積極的に授業に盛り込むことしかないだろうな
と、思いました。
原型師というキャリアプランが多様化していくのと同様に
目指す原型師像というものもこれから多様化していくのだろうなと思います。
上手く造れることは原型師の誰もが憧れる命題だと思います。
でも、その他に産業として頼れる原型師というのもこれから存在感を増すのではと思いました。
職人として、ディレクターとして、プロデューサーとして、尖ることも拡がることも自由なのです。
というわけで、せっかく専門学校が盛り上がっている様なので、
ぜひとも多様な才能に合わせた多様な原型師さんの在り方を授業で生徒さんに紹介できればと思います。
また、メーカーも「どんな原型師さんにこれから活躍して欲しいのか」改めて熟慮し連携して頂ければと思います。
さらに、大学としても美術・芸術そして産業と、どのように関わりを持っていくのか気になるところです。
モノづくりとして、原価があって、人件費があって、販売管理費があって・・・という意識は当然ですが
それがどれくらい実際現場を担う、アーティスト・デザイナー・クリエイターに浸透しているのでしょうか?
「クールジャパン」(この名称がふさわしいかもどうですが)として、日本ブランドをPRしていくのであれば
美術と産業がもっと密接に関わる様な教育を進めて頂ければと私は思います。
と、まぁプリキュアが盛り上がっているとか、
ラグランジェコンペのエントリーが凄かったとか、
3Dモデリングのキットがとんでもないことになってるとか、
うぐいすさんの作ったエリンギが有名な声優さんに買ってもらえたらしいよとか、
色々と書きたい話題はあるのですが、
自分としては、原型師というキャリアプランが今回参加して気になったポイントだったので
WFレポートとしてまとめさせて頂きました。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
フォトレポート
フラワーショップさんのキュアピース。自分の中でも注目してたのに全然キュアピースの写真が撮れなかった。
流行りものが好きな人も、個性的なキャラが好きな人もみんなキュアピース造ってましたね。
ボーメさんもキュアピース造ってた!!ホント恐ろしい子だよ。
コンパチ仕様の黄瀬やよい版。笑顔も恥ずかし顔もあざとい。躍動感のあるポーズが似合ってますね。
瞳はあどさん渾身の一筆入魂。黄色→オレンジ→茶でしょうか。いつも緻密で美しいです。
こちらはキュアサンシャイン。とらbrindleの新作です。seaさんといえば初音ミクというイメージだったのですが
今回はプリキュアに挑戦ですね。それでもツインテールなのはやっぱり好み表れ?!
ハトプリはディフォルメが強く難しいイメージがあるのですが、しっかり先端に画風の躍動感を持たせつつ
かわいくまとめあげています。seaさんの持ち味がこれからも多くの作品に活かされていけば良いなと思いました。
鶴の館さんからは、アクセルワールドより黒雪姫。こちらも人気でしたね。
大きな蝶の羽とコスチュームで造ってみたいと思わせる魅力満載の黒雪姫。
その存在感は「輪るピングドラム」のプリンセス・オブ・ザ・クリスタルを彷彿とさせます。
でも、羽がデカすぎて真正面一本勝負みたいな造形になっちゃうので、実は地雷だったり…。
そう思っていたのに、その地雷の上にどっかり腰を下ろして魅力たっぷりな黒雪姫を造り上げる鶴の館。
さすが潜ってきた戦いの数が違うなぁと思いました。
そんな地雷キャラを上手く魅せたなぁと思わせたのは、バジルの造形魂+Y氏の部屋の黒雪姫。
横向きに始めから据えることで身体のラインも大きな羽もコンパクトに見せています。
また、切り株に座らせるというアイデアもラインを上手くまとめて魅せるなぁと思いました。
こちらは、はるゆきアバター。たくさん集めてピラミッドでも組ませたいですねw
簡単なカタチの中、しっかりと表情や仕草を造りこんでいてとても可愛らしいです。
さらにスカーレット・レイン(小説挿絵版)。このパールっぽい塗装例が私はお気に入り。
可動パーツとあわせることでアクションフィギュアとして遊べます。
アクセルワールドは、人としてもメカとしても原型師さんに喜ばれるキャラが多いですね。
さらにバジルの造形魂+Y氏の部屋から初音ミク フェイ・イェンスタイル。
正直ついていけてない…。バーチャロンとのコラボコスチュームなんだそうですね。
ちっちゃディフォルメとすまし顔がかわいいです。
初音ミクつながりで、こちらはちくたくらびっとさんの初音ミクトリコロール・エア・ラインモジュール。
今回も髪の毛パーツに透明カラーレジンを投入。トランクもあって決まっています。
こちらは髪とスカーフ差し替え版。ガレージキットの完成度に加えて、パーツ変更の遊びを加えてくるのは
さすがちくたくらびっとさんだなぁと思います。ちょっと大人っぽい雰囲気。
ちくらくらびっとさんで驚いたのは、大きく飾られたこちらのボード。keepoutさんの描き下ろし!
今回の販売に合わせて、keepoutさんが自ら改めてトリコロール・エア・ラインのミクを描かれたということです。
ピアプロの絵も帰宅後拝見したのですが、めっちゃ上手くなってるやん!びっくりしました。
初音ミクから今度は亜種へ…。FIESTAさんの可動弱音ハク。ついにシリーズになって揃いました。
こちらは亜北ネル。このネル特に好き。ネルだとシェリフさんの作品が有名ですがしっかり愛されてますよね。
これからも同人の底力でどんどん魅力を磨いて頂きたいです。
重音テト。ツインドリルがいい感じです。ちょっと強気そうな表情も素敵ですね。
さて、今回はガイドブックの表紙もラグランジェだったぐらいなのでラグランジェは多かったですね。
コンペでは50作品近い展示があり、これを全部撮ろうとしたら半日終わると思い撤退してしまいました…orz
皆様せっかく造られたのに本当に申し訳ありません。硫黄泉さんのラン。カワ(・∀・)イイ!!
うさPハウスさんのラン。ランはだいたいどこもこのポーズでしたね。
トキチさんのラン。やっぱりこのポーズ。というかランしか撮らない自分も悪いな…。
で、どさくさに紛れて(?!)中島愛を展示するトキチさん。ちょ…これ人じゃないですか?!!
「いやー、申請してみたらOKでたんだよ~。」恐ろしいですトキチさん。ジャージかわいいなぁ~。
元のイラストがまた可愛かったのでパチリ。和錆さん作。このスカートに挑戦するフィニッシャーさん楽しみですね~。
※ ちょっと休憩・・・。晩御飯たべてきます・・・・・。ォィ