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 これまでの機動兵器とは逸脱した機動兵器の登場です。
第四十四話 VFMW-MSX102『プルート・ガンダム』、VFMW-MSX103『アルテミス・ガンダム』
インダストリアル・アイランド 第十エリア 射撃演習所地帯

 第十エリア、射撃演習所地帯。ここでは車輌・艦艇・機動兵器用の演習所兼訓練所が置かれてあり、その敷地には数機の機動兵器が今、こうして訓練に励んでいるのだ。
 そんな中、訓練所の上空を飛行する見慣れぬ機動兵器が2機種もいたのだ。
 それぞれの機体はVFMW-MSX102『プルート・ガンダム』に、VFMW-MSX103『アルテミス・ガンダム』である。
 『プルート・ガンダム』と『アルテミス・ガンダム』に搭乗しているのは……

二階堂
「いや~すごいすごい。これ程の最新鋭機とはな~」
姫島
「本当に感動的ですよ。それに気前よくガンダムとはね~」

 …そう、前回、大型MA『ローゼン・ルージュ』からの機体転嫁を図りたいと言っていた二階堂に、姫島である。
 前者には二階堂、後者には姫島が搭乗して機体の試運転と兼ねて訓練に励んでいるのだ。そんな最新鋭機2機の性能は以下の通りとなっている。



VFMW-MSX102『プルート・ガンダム』
全高 17.75メートル
重量 49.5トン
出力 4750kw
推力 25000kg×4(大型バックパックノズル)
   20000kg×8(中型バックバックノズル)
   20000kg×12(ウイングノズル)
   12500kg×4(腰部ノズル)
   16500kg×2(腕部ノズル)
   17500kg×8(脚部ノズル)
   12500kg×4(足底部左右2基ずつ)
  773000kg(総推力)
センサー範囲 40000メートル
武装 頭部76.2mm自動対空バルカン砲塔システム『イーゲルシュテルン』4門
   口部127mm短距離高出力エネルギー砲『ヴィント・ホーゼ』1門
   腕部155mm高出力ショックアンカークラッシャー『パラリューゼ・ドルン』2基
   腕部480mm連装高出力エネルギーキャノン砲『シュラーク・ツヴァイ』2基4門
   背部380mm単装エネルギー砲兼シザークロー砲塔『フルス・クレープス』2基
   腹部580mm複列位相エネルギーキャノン砲『ツェルベルスⅡ』1門
   腰部630mmバックパック兼用レールガン『シュペール・ヴァリアブル・キャノン』2門
   155mm大型ビームライフル『シュペール・オルクス・ガイスト』2丁
   203mm大型ビームサーベル『シュペール・リヒト・デーゲン』4丁
   ウイング外装型420mm大型空中飛行ビームカノン砲塔『ヴァルキュリア』12基
特殊装備 両腕強化型ビームシールド
     Iフィールド発生装置
     ヴァイアブルダイヤモンドコーティング装甲
説明
 第13独立機動艦隊最新鋭の機動兵器。機体の特徴はまず何と言っても従来の機動兵器とは違う設計を行っており、『エターナル・ガンダム』(以後、こう呼ぶ事になった)を機体ベースに、専用パイロットとなる二階堂紅蓮の適性である射撃に特化した設計をされている。
 まず、機体コンセプトについてだが、この機体は『オメガ・ガンダム』(以後、こう呼ぶ事になった)のコンセプトである大火力による敵艦隊及び敵要塞の殲滅を目的として開発され、そのコンセプトをそっくりそのまま移転し、さらに技術部の技術屋としてのプライドを掛けてより高性能の機動兵器として開発されたのがこの機体『プルート・ガンダム』である。
 さらに機体番号のMSXとはmillenniumミレニアム seriesシリーズでありXは試作機と言う意味合いでなぜ102と言うと、101にはVFMW-011『エターナル・ファントム』ことVFMW-MSX101『エターナル・ガンダム』となっているからだ。
 何故かと言うとこのこれまでのとは違う機動兵器の設計・開発を行っているため、この機体の開発を機に機体番号を新しくしたためにこうなったのだ。
 武装についてだが、両腕にアタッチメント式に着脱可能な480mm連装高出力エネルギーキャノン砲『シュラーク・ツヴァイ』(意味はドイツ語で『一撃』と『2番目』を表している)を備えている。これは、両腕に備え付けられているアタッチメントに装着されているアンチビームコーティング仕様に射角を変更できる連装ビーム砲を搭載した攻防シールドであり、またシールドの先端には衝角が備えられ、そのまま打撃武器にする方法もあるが、その衝角の周りにビームを纏わせる事で一種のビームソードを展開する事が出来る兵装であり、バックパック(ウィングより内側)には単装エネルギー砲を搭載したシザークロー砲塔『フルス・クレープス』(意味はドイツ語でザリガニ)を2基が装着されている。この兵装は無線誘導によって空中を動き回り、敵を自動的に認識するとクローが開いて敵を挟み込み、切断すると言う格闘兵器であり、ビームライフル並の威力を持つ単装エネルギー砲を持つため、使い勝手が良い兵器である。
 その他に『エターナル・ガンダム』に搭載されていたウイング内蔵型720mm大型収束ビーム砲『シュペール・ヴェズパーⅡ』を取り外し、代わりにバックパック内部に大容量ジェネレーターを2基、機体に備え付けられている。
 最後に機体の名前にある『プルート』とはローマ神話における冥界を司る神であり、ギリシャ神話においてはオリュンポス十二神の一柱である『ハーデス』として伝えられている。
 ちなみに機体のカラーは黒を基調に、メインカメラは真紅、関節部は金色に近い薄黄色となっている。



VFMW-MSX103『アルテミス・ガンダム』
全高 17.75メートル
重量 51.2トン
出力 4750kw
推力 25000kg×4(大型バックパックノズル)
   20000kg×8(中型バックバックノズル)
   20000kg×12(ウイングノズル)
   12500kg×4(腰部ノズル)
   16500kg×2(腕部ノズル)
   17500kg×8(脚部ノズル)
   12500kg×4(足底部左右2基ずつ)
  773000kg(総推力)
センサー範囲 40000メートル
武装 頭部76.2mm自動対空バルカン砲塔システム『イーゲルシュテルン』4門
   口部127mm短距離高出力エネルギー砲『ヴィント・ホーゼ』1門
   肩部ビームブーメラン『マイダス・メッサー』2基
   腕部155mm高出力ショックアンカークラッシャー『パラリューゼ・ドルン』2基
   背部22.25メートル超大型ビームソード『エクスカリバー』1丁
   背部630mm高出力長距離ビームキャノン砲『ゲイ・ボルグ』1門
   腹部580mm複列位相エネルギーキャノン砲『ツェルベルスⅡ』1門
   腰部630mmバックパック兼用レールガン『シュペール・ヴァリアブル・キャノン』2門
   脚部ビームブレイド『ファング・アルム』2基
   155mm大型ビームライフル『シュペール・オルクス・ガイスト』2丁
   203mm大型ビームサーベル『シュペール・リヒト・デーゲン』4丁
   ウイング外装型420mm大型空中飛行ビームカノン砲塔『ヴァルキュリア』12基
特殊装備 両腕強化型ビームシールド
     Iフィールド発生装置
     ヴァイアブルダイヤモンドコーティング装甲
説明
 第13独立機動艦隊最新鋭機動兵器にして『プルート・ガンダム』の兄弟機である。専用パイロットは姫島紫苑であり、彼女の適正である中~近戦闘及び格闘戦に長けた設計が成されてある。
 原型にあるビーム兵器の出力は抑えられ、その分のエネルギーはビーム格闘兵器に費やされている。勿論、パイロットの操作によってエネルギーの調節が可能である。
 武装についてだが、原型にあったビーム兵器は『プルート・ガンダム』と同様にウイング内蔵型720mm大型収束ビーム砲『シュペール・ヴェズパーⅡ』を取り外され、代わりにバックパック内部に大容量ジェネレーターを2基、機体に備え付けられているため稼働時間が長い。
 さらに彼女の希望で『シュペール・ヴェズパーⅡ』があった場所には刀身が2つに折り畳まれ、ウェポンラックの右側に装着された形で配置されたアーサー王物語でアーサー王が持つ剣の名を冠する超大型ビームソード『エクスカリバー』が1丁と、同じく2つに砲身が折り畳まれ、ウェポンラックの左側に装着された形で配置されたケルト神話に登場するクー・フーリンが持つとされる神の槍の名を冠する高出力長距離ビームキャノン砲『ゲイ・ボルグ』が1丁備え付いてある。『エクスカリバー』は対機動兵器にのみならず、対艦艇、対装甲目標物を破壊・切り裂くために刃の部分には特別加工されたのを用いたため、その切断力には舌を巻く程であり、『ゲイ・ボルグ』は使用時の砲身の長さが23.35メートルと本機の全高よりも高く、核融合炉より供給される膨大なエネルギーによってほとんどの射撃兵装を上回る出力を誇る。同時に、ビーム砲を発射しつつ機体を動かす事で薙ぎ払い攻撃が可能なため、集団で且つ敵が固まっている場合にはかなり有効な戦術でもある。
 この他に両肩に装着されたビームブーメラン『マイダス・メッサー』に、両足のつま先からビームブレイド『ファング・アルム』(意味はドイツ語でクラゲの『触手』)と言ったトリッキーな兵装を持ち合わせている。
 機体の名前にある『アルテミス』とはギリシャ神話に登場するオリュンポス十二神の一柱にして弓術・森林・狩猟・純潔・月の女神(その他に処女神にして豊穣の神)『アルテミス』(英語圏では『ダイアナ』)から取られている。
 ちなみに機体のカラーは深紅を基調に、白色や紫色が含まれている。



作者
「どうだ、気に入ったか?」

二階堂
「あぁ、バッチリだ。何もかもだ」

姫島
「凄いですよ。まるで私の手足のように機体が言う事を聞いてくれますからね~」

 作者の質問に満足げに答える二人。それもそうだが、これまでの機動兵器とは設計段階から異なっている『プルート・ガンダム』に『アルテミス・ガンダム』にはより人間らしい動きを可能とするために、機体関節部・骨格部を中心により細かく分割された外部装甲を、内部骨格の動きに連動して可変移動させる機構と、関節部にヴァリアブルダイヤモンドコーティング装甲を施した事にある。
 前者は内部骨格の動きに連動させた、外部装甲可変移動機構は、より人体に近い可動と高い機動力を実現した機構であるのだが、同時に装甲の間に無防備な隙間を生み、防御力の低下を招いてしまう機構でもあり、仮にその部分に直撃を浴びた場合には貴重な機体が実戦で失いかねない非現実的な設計となっているが、そこで採用されたのが2つ目にあるヴァリアブルダイヤモンドコーティング装甲の採用にある。
 両機共、773000kgとMAを除く他の機動兵器を凌駕する推力を有し、前者の機構と相まって驚異的な機動性を有する事になったが、その代わりに前にもあった関節部への多大な負担が予想され、一歩間違えれば関節を勢い良く曲げた瞬間にその部分が勢いによって引き千切れてしまう可能性があるため、関節部の補強のためにヴァリアブルダイヤモンドコーティング装甲が施され、ある一定の限度を超えた場合にはファイルセーフ機構が発動し、予備電力をも活用して最大限にまで装甲を引き上げる事で関節部の補強を行うために、より人間らしい動きが可能となった。

作者
「それはそうだろう。この機体のために様々な新技術・機構・設計を施してきたからな」

二階堂
「それにしても恐ろしいな…推力は70万kg以上、武装はMA並の火力を有しているのだからな」

姫島
「でも、そのおかげでこんな素晴らしい機体を預けて貰えたのだからいいではないですか」

二階堂
「それもそうだな。では、行くぞ紫苑!」

姫島
「はい、紅蓮!」
 ご意見・ご感想をよろしくお願いします。


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