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'12/8/6

魅力なく住基カード普及3%



 国民の個人情報を一元管理する住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の導入から、5日で10年を迎えた。広島県内の住民基本台帳カード(住基カード)所持率は4%にも届いていない。システム構築に全国の自治体は計390億円を投じたが、利便性は乏しく普及が進んでいない。

 住基カードを持っていると、引っ越し前に住んでいた市町の窓口に行かなくて済む。基本的な個人情報がICデータで入っており、確定申告の手続きもスムーズ。運転免許証を返上した高齢者にとっては、身分証明書としても使える。

 しかし、県内の発行枚数は約10万1600枚(6月末現在)。普及率は3・56%にとどまる。

 行政にとっては、カードの発行数とは関係なく、住基ネットそのものの導入メリットは大きい。例えば、県は県税滞納者の居住地確認など23事務で住基ネットを活用。職員が各市町に出向かなくてもパソコンで事務処理ができるようになった。

 住民側が恩恵を感じられない状態のまま、住基カードは存続が怪しくなっている。政府は、納税と社会保障の情報を一元管理する「共通番号制度」の2015年度導入を目指しているからだ。

 住基ネットを活用しつつ共通番号制度に切り替え、住基カードは廃止。国民すべてに番号を与え、新たなカードを交付する方針だ。

 「住基ネット導入は行政にとって一定の効果はあったが、真の費用対効果は疑わしい」と広島大大学院の川崎信文教授(行政学)。「カード普及を促しながら、短期間で廃止に向けて動くのは、場当たり的な政策だ」と国の姿勢を疑問視している。




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