玉木正之 とは

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[ソートキー=たまきまさゆき]

玉木　正之（たまき　まさゆき、1952年4月6日 - ）は京都府京都市生まれのスポーツライター・音楽評論家である。国士舘大学体育学部大学院非常勤講師。本人曰く「私が日本で初めてスポーツライターと名乗った」。

洛星高等学校卒業後、東京大学教養学部に入学。高校時代にはバドミントンでインターハイ出場経験がある。大学在学中から新聞に音楽・映画評などを執筆。大学中退後、ミニコミ出版の編集者等を経てフリーの雑誌記者となり小学館GOROの編集に関わる。以後、主にスポーツライター、音楽評論家として活躍。毎日放送『ちちんぷいぷい』、TBS『サンデージャポン』、NHK『クローズアップ現代』などにコメンテーターとして出演。小説『京都祇園遁走曲』はNHKドラマ新銀河でテレビドラマ化されている。

評論

• メディアや私企業によるスポーツの独占を批判する立場からJリーグの理念を高く評価する一方、読売新聞グループ本社（とそのトップである渡邉恒雄）によるプロ野球支配や朝日新聞社による高校野球支配に厳しい意見を表明している。
• また、スポーツのプロフェッショナルはそれによって正当な報酬を得るのは当然であるという観点から、今日主張する人が激減したアマチュアリズムについても批判的である。学生スポーツに対しても学校（大学）は勉学に励む場でありスポーツはクラブスポーツに任せるべきと主張し、学校体育への依存度が高い日本のスポーツ界を批判している。
• しばしば日本のプロ野球・アマチュア野球における送りバントや敬遠四球の多さなどを批判している。また、人工芝や内野に天然芝が張られていない日本の野球場やプロ野球の引き分け制度に対しても批判的である。
• 関西出身であることに由来する阪神タイガースへの愛着をうかがわせる文章も書いているが、「阪神至上主義」ではなく阪神球団への批判的な意見も過去には少なくない。しかし上記のような「読売グループの球界支配への批判」と絡んで、「阪神ファン」「阪神寄り」といった受け止め方をされることもある [date=2008年3月] 。
• 音楽方面ではオペラやクラシックへの関心が強い。
• 人間ドラマや教訓に偏りがちなスポーツジャーナリズムにおいて、スポーツの文化的な側面と言う新たな視点を開拓し、論述している。
• 日本プロ野球（NPB）に対しては多くのチーム名に企業名が入っていることなど、企業の宣伝媒体と化している事などを批判している。他方でかつては業態の異なるメジャー・リーグに対しては肯定的な意見を多く述べている。

大沢啓二との喧嘩

• 2004年9月26日放送のTBSのTV番組『サンデーモーニング』にて野球評論家の大沢啓二が玉木を罵倒したことがある。番組内にて玉木の日本プロ野球界批判VTRを見たレギュラー解説者の大沢が激怒。「1000分の1しか解決してねえはねえだろ。OBも含めて一生懸命やってんだ」と反論。「野球ろくすっぽしらねえくせに」「ふざけんな!」「カーっときた」など何度も玉木を罵倒し、最後は「玉木の野郎を呼んでこい!」と一喝した。
• それに対し玉木も自らのサイトで大沢を「齢だけ重ねて日頃アナクロな暴言ばかりを吐き続ける無論理の餓鬼のような人物」等と反撃。その後TBSディレクターの謝罪を経て「ガキの喧嘩はここまで」と宣言するも、その後もサイトにて大沢を執拗に執念深く揶揄している。

島田紳助傷害事件について

• 2004年10月、お笑いタレントの島田紳助が吉本興業所属の女性マネージャーに対して傷害事件を起こした際、玉木は自身のHP上にて『誰が何と言おうと今回の事件に関しては「紳助支持」です』と島田の暴力行為自体を支持するかのような内容のコメントを寄せた。だがその後紳助支持のコメントは何の前触れも無く日付ごと削除され、さらに当初とは意味合いの違う曖昧な表現のコメントに差し替えられた。

その他

• 1990年代に日本のスポーツ界の現状に幻滅し、一時期「スポーツライター」の肩書きを返上し「作家」宣言をしたことがある。1999年の著書『スポーツとは何か』以降は再び「スポーツライター」を名乗る。
• プロ野球球団・大阪近鉄バファローズを買収しようとしたライブドアの堀江貴文を「プロ野球界の改革者」として絶賛していた事がある。
  「すべてのプロ野球ファンは『ナベツネ・ツツミ』の阿呆連合を拒否して、堀江社長の新路線を支持しよう!」
  「ホリエモン・バッシングが続いてるけど、『新しい人間』に対する『古い人間』の態度というのはこういうもんなんやろなぁ」「堀江と日枝のどっちをとるのか表明すべきやろ。おれなら堀江をとる」
  「日テレ・氏家会長のコメントに一瞬仰天。堀江社長のことを『バカエモン』と呼び彼の行動を批判しながらも
  最後に『でも、ああいう男がいないと世の中変わらないんだよなぁ』と発言。ブラヴォー!」
  以上はプロ野球再編問題が激しく議論されていた時期の発言である。なお、堀江貴文が逮捕された際には「いずれはこのような形で『自爆』するしかなかったが、それならばせめて現在の問題の多いプロ野球界自体を巻き込んで爆発してほしかった」という感想を記している。
• かつて読売ジャイアンツ監督を務めた長嶋茂雄を「名監督」と評していた。
• 長嶋茂雄がいわゆる「浪人」だった時期までは、「ベースボール本来のダイナミズムとおもしろさを体現した人物」として（主に現役時代の）長嶋を高く評価していた。これはその時期に全盛だった、川上哲治や広岡達朗（およびその流れをくむ者）の「管理野球」に対する批判という側面もあった。管理野球批判に反発した当該球団のファンからカミソリや大便の入った抗議を送りつけられた事もあるという。
• 上記の理由で、1987年に阪神が低迷したとき、雑誌Sports Graphic Numberに寄稿した文章で阪神の監督適任者に長嶋の名前を挙げたことがある。
• 現場に足を運ばないスポーツライターという意見がある。その事を2004年に放送されたテレビ朝日のTV番組・朝まで生テレビプロ野球改編特集（2004年9月「日本のプロ野球はどこへ行くのか?」）にて中日ドラゴンズ球団代表の伊藤修に批判されたことがある。
• 1980年代から一貫して「プロ野球チームから親会社の企業名・商品名を外すべきである」という主張を行っている。こうした意見（メジャーリーグを範としたものでもある）は彼がスポーツライターとなる以前から存在しており、例えば鈴木武樹の『プロ野球の魔力』（1976年）や『プロ野球ラクガキ帖』（1977年）でも同様の提案がある。また、現場のプロ野球関係者の一部もそうした理想を抱いていたことを玉木自身が「プロ野球大大大事典」の「夢」という項目に記している。
• 「野球協約が改訂された」という編集者からの情報に対して、その真偽を確かめることもなく「巨人の仕業に違いない」とインターネット上で断じた（実際はその情報は誤りだった）ことがある。その記事に対しても「編集者を信頼していたから」「読者から誤りの指摘は来なかった」などと言い、適切な謝罪は行っていない。
• 大阪近鉄バファローズの売却騒動に端を発した日本プロ野球界の球団の運営危機の際、「公共の財産であるプロ野球球団の運営費はそれを望む住民の税金で賄うべきである」と主張していた。
• 日本サッカー協会会長（“キャプテン”と自称する）・川淵三郎とは親交が深く、自らも大のサッカーファンであることを公言して憚らない。だがその一方で「ワールドカップ初代王者のウルグアイはその後二度と優勝できなかった」（実際には1950年ブラジル大会でも優勝）、「今から20年前（原稿が書かれたのは2006年）、JSLの試合を見に行くと空席ばかりが目立つ国立競技場で、カズやラモスや加藤久が走りまわっていた」（当時三浦知良はブラジルのクラブチームに所属しておりJSLには1990年から出場）等とサッカーに対して誤った記述が多い。あるいはJリーグが始まってからテレビで何度も流された東京オリンピック・サッカー競技1次リーグ「日本vs.アルゼンチン戦」の映像（川淵三郎がダイビングヘッドで同点ゴールを決めるシーンなど劇的な場面がある）を2007年6月6日にNHK総合テレビで放送された『その時歴史が動いた』第291回「メキシコ五輪　奇跡の銅メダル～日本サッカー・勝つための組織作り～」の収録で初めて見たなどと自身のHPで書く。その他、自身のHP上の日記でもサッカー日本代表やJリーグの試合を観戦や取材を行った記述があまり見られない。
• 自身の公式WEBサイト『カメラータ・ディ・タマキ』に「タマキのナンヤラカンヤラ」と言う日記コーナーを設けほぼ毎日自身の活動を更新している。が内容に誤りが多く（人名等の記述ミスからスポーツの記録や事実に関する誤認識など）インターネット掲示板等で指摘される事が多い。またスポーツ大会に取材に行った記述がほとんど無い為に上記のような「取材活動を全くしないスポーツライター」という印象を持たれる一因となっている。
• 同WEBサイトでは以前「Faq-ing FAQ」という読者の質問に答えるQ&Aコーナー設けていた。が、2、3の質問（何故いい大人が文章の末尾に"爆"などという表現を使うのか?等どちらかと言えばあたり障りのないような質問）に回答した後は全く更新されなくなり、最終的にコーナー自体が消滅してしまった。
• MLB・シアトル・マリナーズ所属のイチローが2004年メジャーシーズン最多安打を記録した際、自身の公式WEBサイトにて「イチローの最多安打記録は日本野球を実践したからではなく、ベーブ・ルース以前の古き良きアメリカのグッドオールドアメリカンベースボールを復活させたから」などと評した。だが後日、玉木の日記上からグッドオールデイズアメリカンベースボールのくだりは何故か削除された。
• 洛星中学・高校の後輩である吉本興業の取締役・田中宏幸と古くから親交があり、プロ野球球団・大阪近鉄バファローズの情報などを得ていた。
• 2006年のドイツ・ワールドカップは「ドイツに行けばサッカーの試合は見れるがワールドカップは見る事ができない」との理由から自宅にてテレビ観戦。
• TBSが2007年関東アマチュアゴルフ選手権にてアマチュアゴルフ選手石川遼に同伴競技者に小型マイク装着を依頼し盗聴を行おうとした事件に対しては自身のWEBサイト上にて「『取材方法』の問題やない。スポーツ・ジャーナリストとしての哲学と意思との問題」「ジャーナリストならば時に法律に違反するほどの取材をしなければならないこともある。逮捕されても非難されても世のため人のためにやらなければならないことがある。発言しなければならないことがある」との見解を示した。
• スポーツ界で大きな話題や事件が起こった際に報道機関からコメントを求められた様子をウェブ日記に記すことがある。採用されないと認識した上で持論を述べたときには「まあたぶん没やろな」と締めくくることが多い。
• 2007年の日本シリーズ第5戦において、8回パーフェクトのピッチングを続けていた中日の先発投手・山井大介を、9回に抑えの岩瀬仁紀へ継投して参考記録で完全試合（メジャーリーグでなら正式な完全試合）を達成した事に対して、自身の公式サイトで中日監督・落合博満の采配を痛烈に批判した（2007年の日本シリーズ）。監督経験者や現監督、スポーツ選手を中心としたこの采配に関するインタビューでは、多くの監督がこの采配に同意した（王監督・岡田監督・コリンズ監督・ヒルマン監督・森祇晶・バドミントンのオグシオペア･浅田真央など）。その一方でインターネット上で各新聞社が緊急に行ったアンケートでは、賛同の数が少し上回る結果であった。逆に、佐々木信也ややくみつるなど落合の采配をこぞって批判した外部の人間もおり、新聞のコラム欄でも賛否両論の意見が見られた。ちなみに山井は

主な著書

スポーツ

• 「スポーツとは何か」（講談社現代新書　ISBN 4061494546）
• 「ベースボールと野球道」（講談社現代新書　ロバート・ホワイティングとの共著）
• 「スポーツ解体新書」（NHK出版　ISBN 4140807490）
• 「定本・長島茂雄」（ネスコ出版）
• 「プロ野球大大大事典」（東都書房）
• 「プロ野球大事典」（新潮文庫、「プロ野球大大大事典」の増補改訂版）
• 「プロ野球の友」（新潮文庫）
• 「タイガースへの鎮魂歌」（朝日新聞社）
• 「不思議の国の野球（ベースボール）～チェンジアップを13球」（文春文庫）
• 「されど球は飛ぶ」（河出書房新社）
• 「Jリーグからの風」（集英社文庫）

音楽

• 「音楽は嫌い、歌が好き」（毎日新聞社）
• 「クラシック道場入門」（小学館）

小説

• 「京都祇園遁走曲」（文藝春秋）-　1996年にNHKのドラマ新銀河枠で「京都発・ぼくの旅立ち」という題名でテレビドラマ化。

訳書

• 「和をもって日本となす」（ロバート・ホワイティング著／角川書店）
• 「シーズン・チケット」（ロジャー・エンジェル著／東京書籍）
• 「日本式サッカー革命－決断しない国の現在・過去・未来」（セバスチャン・モフェット著／集英社インターナショナル）

その他

• 「天職人・玉木正之と輝ける二十六人」（講談社　ISBN 4062122189）

脚注

関連項目

• ロバート・ホワイティング
• 虫明亜呂無

外部リンク

• 玉木正之公式WEBサイト『カメラータ・ディ・タマキ』