2012年01月04日

『忍びの国』を読了!!

和田竜氏の『忍びの国』を読み終えた。

『忍びの国』 和田竜・著** 『忍びの国』 和田竜・著(文庫版)

『しのびの国』 和田竜・著 『忍びの国』 和田竜・著(単行本版)

わたしにとって和田竜作品の2作目。
『のぼうの城』のときも、何ともいえない『痛快さ』を感じたが、この『忍びの国』も同じだった。

織田信長が最も恐れていたという『伊賀軍団』。

父・織田信長の命令に背いて、伊賀攻めに出てしまった織田伸雄(おだのぶかつ)。
伊賀ものたちは、金の多さでどちらに付くかを決めるという集団なのだが、今回の闘いは自らの郷を守るだけの闘いなので金にはならない闘いだ。
伊賀攻めのため迫ってくる織田伸雄率いる織田軍を相手に闘うことになってしまった伊賀ものたちに、自分の祖国・伊賀の郷を守るために無償のはたらきをすることができるのか、伊賀ものたちのこころは二分される。

この小説の主人公、無門(むもん)も金で動く典型的な伊賀もので、その中でも1、2を争う凄腕の持ち主だ。

どちらかというと一匹狼のような無門だが、自分の妻・お国(妻にするために略奪してきたが、自分の稼ぎが悪いので正式には一緒にはなっていない女性だ)の持ってきた茶碗を使って軍資金にする。
妻・お国の提案だ。
これを元手に伊賀もののこころを一つにして、織田伸雄軍に挑んで行く。
このような話の展開が楽しい。

この闘いで、無門は最愛の妻・お国を亡くしてしまう。
『お涙頂戴』もしっかり入っていて、こころを動かされてしまう。

最後の方では、無門ひとりで伸雄のところに忍び込んで、伸雄の寝首をかけるところまで迫っていくのだが、この辺が痛快なところだろう。
伊賀もの嫌いの信長にして、「わしの間者にならんか」と言わしめるところなども、最高だ。

結局、この戦(いくさ)は伊賀勢が勝って終わるのだが、無門自身は織田方に雇われること嫌い、伊賀方に残る道も捨てて、京の町で暮らすことを決める。

「京の町で昼寝でもするさ」

ということばが、いかにも無門らしいと思った。

終章では、この後日談が書かれているが、それはここには書かない。


#情報科教員MTの読書記録・・・・2012-01-04から2012-01-04
                     1日で1回読み終えた。

#ここのところ、記事の投稿が滞っている。
 この記事は実質2012-03-13に投稿した。

will_pwr at 23:59│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!最近気になった本・読んだ本 

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杉並区にある文化女子大学附属杉並中学校・高等学校で情報科教員をしている津久井 大(まさる)と申します。
元々は理科教員で、暫く理科と情報科の兼任をしていましたが、教育制度に則った情報科ができた2003年に情報科のみを教えることになりました。
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